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 差出人のことも忘れて、思わず手が伸びる。
「まあ食っても平気だとは思うが…ツナ」
「うん?」
「骸のチョコから食べるのか?」
「…えっ?」
 リボーンの一言に、手も思考も一瞬止まる。
「だってお前、こんなに貰っといて一気に全部食えるわけねーだろ?  どれから食べるんだって話だ」
「どっどれからって、そんなに重要?」
「あたりめーだろ。要はお前がどれを一番に食いたかったか、だからな。簡単なわけないだろ?」
「ううっ」
 そう言われると、手が出しづらい。
「特に部下から送られてきたものには、食べた順序で信頼度が分かるってもんだ。物騒なもんには手を付けたがらないのが人間ってもんだからな」
「こういう時にばっか正論言うなよっ!」
「まあとりあえず」
 そう言いつつリボーンは女子から貰った二つのチョコを手に持った。
「この二つ以外のチョコ、どれから食べるんだ?」
「やめてよ、そういう究極の選択! 選んだらお前、絶対本人達に言うだろっ!」
 怒鳴るとリボーンはあっちの方向を向き、口笛などを吹き始めた。
「でっでもさ、オレ、もう昼に京子ちゃんのお兄さんから貰ったチョコ食べたし、それにその後、ヒバリさんにもチョコ大福頂いているから、もう関係無いよな?」
「了平とヒバリが? …さすが年長組は行動が早いな」
「どういう意味だよ」
 変に感心しているリボーンからチョコを奪い返そうとするが、身軽な動きでかわされる。
「だっから、もうそんな順番関係無いだろ?」
「まぁ、今回はそうなるかな」
「じゃあチョコ返せよっ!」
「ん~どうすっかな」
「おいっ!」
 部屋の中をドタドタしていると、再び下の階から声がかかる。
「ツナー、リボーンくん。夕ご飯できたから、下りてらっしゃい」
「あっ、はーい!」
「今行く」
「って、行く前に返せよ!」
「義理チョコにそんなに躍起になるなよ」
「うるさい! ああ、もういい!」
 どんなに追かけようが、リボーンに追いつけるはずもない。
 言葉でも何をどう言おうとも、リボーンの意志は変えられない。
 いい加減、イライラもピークに達してきている。
「今日はもうチョコ食べない! 明日になれば関係無くなるから、明日にする!」
 そう言って音高くドアを閉めて、一階へ下りた。
 残されたリボーンはチョコをテーブルに置き、ため息をついた。
「分かっちゃいねーな。今日みたいなことはこれから毎年繰り返されるんだぞ? その場限りの考え無しの行動は、ボスにとっちゃ致命的な行動ミスになるんだからな」
 それを言ったら言ったで、怒り出すのは目に見えていた。
 だが今ムリに結果を出そうとしても、周囲にも混乱を招くだけかもしれない。
 それに自覚無しの行動ほど、厄介なものもない。
 リボーンはテーブルに置いてある仲間達のチョコを見回した。
「あげたヤツ等は多少は自覚あるみてーだがな。ツナのヤツ、変なところで人の気持ちに鈍いからなぁ」
 深く息を吐くと、下の階から呼びかけられた。
「リボーン! 早く来ないとランボに食われるぞ!」
「ああ、今行く」
 部屋の電気を消し、扉を閉めようとして、再び目に映ったチョコを見て、ふと考える。
「…ボスになった頃、今みたいな状態になったら、アイツはどうするんだか」
 きっと今と変わらず悩むんだろうな、と思うと笑みが浮かぶ。

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【2012/02/01 11:14】 | 家庭教師ヒットマン リボーン!・「バレンタインは大騒動!?」
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