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BL・<Fascinated by the darkness>・34

「だが一気に全部入ったぞ」
 そりゃあそうですけどね!
 僕は肩が上がるほど荒い息を繰り返しながら、それでも衝撃に耐えた。
 やがて深く繋がった部分から、じわじわと快楽が背筋に上ってくる。
「あっんっ…! はあ…!」
 出る吐息も熱い。
 彼を下の孔で咥えたまま、ゆっくりと腰を回し、体に馴染ませる。
 そして再び彼の首に両腕を回し、抱き着く。
「イザヤ…」
 彼の首筋に顔を埋め、匂いを嗅ぐと、下半身に甘い痺れが走る。
 そうして熱に浮かされたように、腰を上下に動かし始めた。
「あっああっ…イザヤ、イザヤ!」
 こうなるともう自制心など無い。
 ただ無我夢中で、彼を貪るだけ。
 今度は両膝を立て、自分から彼を深く招き入れる。
「はっん、くぅっ…! イザヤぁ…」
「そう何度も呼ばなくても、ここにいるだろう?」
 そう言いながら僕の顔を両手で包み込む。
 僕は誘われるまま、彼に激しくキスをした。
 幸福に、身も心も満たされる―。
 幸せだと思えるこの瞬間が、泣きそうになるほど嬉しかった。
 自分の中の前立腺を、彼の膨らんだ先端で押し潰すと、声にならないほどの刺激が全身に走る。
「あっ、イザヤっ…! あなたが欲しい…もっと欲しいっ!」
 切ない感情を眼に宿して、イザヤを真っ直ぐに見つめた。
「良いだろう。くれてやる」
 スっと眼を細め、僕の膝裏に両腕をくぐらせると、その手は腰を掴んだ。
 そして息ができないぐらい、激しい挿入が始まる。
「ああっんっ! イザヤ、気持ち良いっ…!」
 自分の中ではズチュズチュと互いの肉が擦れる音が響き、部屋の中では互いの体がパンパンっとぶつかる音が響いていた。
 僕はたまらず片腕を外して、勃ち上がっていた自身を擦り始めた。
 淫靡な音と匂いに、すでに羞恥心も何もなく、ただセックスの快楽に溺れていく。
 やがてこれ以上ないくらいに熱く大きくなった彼の欲望は、僕の中に深く差し込んだまま小刻みに、それでも強く動いてきた。
「あっ、あっ…やぁああっ!」
 イザヤに衝動のままに揺さぶられ、僕も自分のを激しく擦り上げる。
 そしてグッと深く繋がったまま、中に熱い液体が注ぎ込まれる。
 何度も大量に出されて、僕もたまらず出してしまった。
「あうっ…んっ、はあはあ…」
 二人が繋がった所から、ツーっと何かが溢れ出してくる感触がある。
 …何もこんなに大量に出さなくても。
 いや、僕もいっぱい出しちゃったしなぁ。
「あ~、すみません。お洋服、汚してしまって…」
「構わない。あとで洗わせればいい」
 洗う人ってトランプだよな、絶対。
 僕は心の中で深く詫びた。



「…よし、誰もいないな」
 イザヤことデスの部屋から、僕は気配を消してこっそり出た。
 しかしすぐにラバーの部屋の扉が開き、この時一番会ってはいけない人物と鉢合わせしてしまった。
「おはよう、マジシャン。…何でデスの部屋から出てくるの?」
 不機嫌なオーラを出しつつあるラバーから、一定の距離を取って、僕は手にした紙袋を後ろに隠した。
「おはよう、ラバー。よく眠れた?」
 僕は話題をずらそうとしたが、ラバーの視線は紙袋へと向かう。
「何それ? デスから貰ったの?」
「いっいや、頼まれた物と言った方が正しいかな?」
「ふーん」
 誤魔化し笑いを浮かべる僕の元へ、スタスタと歩いてくるラバー。
 そしていきなり眼にも止まらぬ速さで、僕の手から紙袋を奪った。
「あっ、コラッ!」
「中身は…デスの服、か。デスは昨夜、マジシャンの部屋に泊まったんだ」
 ぐっ…! 
 鋭い。
 やっぱり長年の付き合いがあるから、察してしまうんだろうな。
「…うん、まあ」
「ふぅ~ん」
 冷や汗がダラダラと背中に流れる。
 何せラバーから不穏な気配を感じるからだ。
 今絶対、おもしろくないと思っているはず。
 昨夜はあの後ベッドに移り、ずっとセックスしていた。
 そして朝、デスに起こされ、二人で風呂場へ行ってまた……と、朝から濃いことをしていたワケだけど。 
 問題はデスの着替えだった。
 昨夜の服はトランプに洗ってもらうことになったが、今着る服がなかった。
 なので着替え終えた僕が、デスの部屋に行き、代えの服を持って出て来たところだった。
「デスってさ、冷めてるように見えて、意外と執着心が強いよね」
「そっそうかな?」
「特にマジシャンに関しては、ね!」
 ラバーは顔をしかめながら、紙袋を僕の胸に押し付けてきた。
「オレに見せつけるように、マジシャンを誘ってくるし、その証拠も付ける。キスマークにオレが噛み付いて上書きしたら、また新しいキスマークを増やす。ホッント執着心が強い」 
「あっ…ははは」

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