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BL・<Fascinated by the darkness>・33

 ソファーに座ったままで良かったと、心から思う。
 膝立ちだったら、今頃床に腰を付けていただろう。
 あまりみっともない格好は、彼には見せたくなかった。
「あっ、イザヤ…。ちょっと、本当にヤバイんですって…!」
 彼の足を両手で掴むと、いきなりぐいーっと踏む力が強くなった。
「ああっ! やっやめっ…!」
 けれど踏み潰すほどの強さはなく、かといってすぐに離れる程度の弱さじゃない。
 イザヤの足裏は微妙な力加減で、僕の両足の間をグイグイと押す。
「男のモノを咥え、そして踏まれて興奮するのか、お前は」
「だっから…そう、いうふうにしたの…イザヤで、しょうがっ…」
 強過ぎる快感に、眼に涙が浮かんできた。
 彼の足にすがるようにしながら、息を弾ませてしまう。
「そうだったな。じゃあコレが証明か?」
「そっ…うなり、ますか…ね」
 彼が与えるものならば、苦痛だろうが何だろうが、甘い快楽に変わってしまう。
 身も心も、彼に溺れている証拠だ。
「そうか。なら責任を取ってやらないとな」
 …そういうセリフは、悪魔のような微笑を浮かべながら言うものじゃないと、僕は思う。
 しかしイザヤはいきなり足を離した。
 突然失った刺激に、頭も体も物足りなさを感じてしまう。
「…っれ? イザヤ?」
「服を全部脱げ」
「……やっぱりここでするんですか?」
「同じことを二度も言わせるな」
「………はいはい」
 もうどうにでもなれ、というヤケッパチになった僕は、ソファーの上で服を脱いだ。
 脱いだ衣類を床に放り捨て、少し不貞腐れた顔を彼に向けた。
「―コレで満足ですか?」
 僕の体には未だイザヤの付けた跡が、生々しく残っていた。
 ただ一ヶ所、首筋の噛み傷以外は。
 イザヤの視線が、僕の体を舐めるように動く。
 今更恥ずかしがることなんてないので、堂々と彼の次の言葉を待つ。
「まだだ。立て」
「はいはい」
 立ち上がるとイザヤに腕を掴まれ、引っ張られた。
 そしてイザヤは僕が座っていたソファーに座り、二人の立ち位置は変わったワケだけど…。
 非常に、とても、物凄く、イヤーな予感がするのは何故だろう? 
 裸になったからじゃないよね? 
 この寒気は。
「跨げ、ユウマ」
 イザヤは余裕たっぷりに笑い、僕の頬を優しく撫でる。
 …って、やっぱり。
 よりにもよって、扉に背を向けて騎乗位か。
 まあ扉に正面を向いた形じゃないだけ、まだマシ………だろうか?
 まあどちらにせよ、もし誰かが扉を開けて眼にするのは、僕の痴態だ。
 晒す内容は変わらない。
「イザヤって本当にサドですよね」
 にっこり満面の笑顔で毒を吐くが、彼は得意げに笑い返してきた。
「十五年も傍にいたんだから、とっくに気付いていただろう?」
「デスネー。はいはい、騎乗位だろうがなんだろうが、ご主人様の言うことには従いますよ」
 だけどしょせん僕は彼の所有物、逆らう真似なんてしない。
 膝でソファーに乗り、自ら孔に彼の先端を宛がう。
「んっ、くぅっ…!」
 しゃぶっていたおかげで、スムーズに入っていく。
 けれど中の肉を割って入ってくる体感はいつまで経っても慣れないもので、彼にしがみついてしまう。
「あぅっ…ん、はぁはぁ…」
 唾液と先走りに塗れた彼の熱は、ズズズッと音を立てながら僕の中におさまっていく。
 僅かな痛みも快感にしかならず、僕はゆっくりと腰を沈めていった。
「ユウマ」
 耳元で名前を呼ばれ、ぼんやりしながら顔を上げると、イザヤにキスされた。
「んんっ…。イザヤぁ…」
 甘ったるい声と吐息が出てしまうけれど、もう自分では止められない。
 特に舌を絡ませ合う行為になると、無意識に腰が跳ねてしまう。
 舌の表面のザラザラした部分と、裏のヌルヌルした部分、そしてイザヤの唾液の匂いと感触に頭の中が真っ白になっていく。
 けれど彼のを自分の中に入れていくのも忘れない。
 腰を弾ませながら入れていくけれど、どうしたって最後の一押しができない。
「フっ…腰が止まっているぞ?」
「そっんなこと言われ、ましても…根元まで入れるのが…くっ苦しくて…」
 もうこの状態でも、いっぱいいっぱいだった。
 ただでさえ立派な彼のモノは、いつも最後は力づくで入れられていた。
 自分から入れるのには、限界があるというものだ。
「まったく手間のかかる」
 イザヤはため息をつきながらメガネのフレームを指で上げると、僕の両肩に手を置いた。
 その行為で何をされるか気付いた僕は、サッと血の気が下がった。
「ちょっ、待って…って、いったぁ!」
 ズンッと体に衝撃が走った。
 イザヤは予想通り僕の肩を下に押して、いきなり全部を飲み込ませた! 
 突然の衝撃に涙は溢れるわ、孔はきつく締まってしまうわで、眼がチカチカする。
「いたたた…。いっいきなりは厳しいんですが……」

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