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BL・<Fascinated by the darkness>・11

「フッ。やっぱり激しい方が好みか?」
 顔の見えないイザヤが、嘲り笑う。
 どんなに反論しても、体が反応している今は言葉に力なんてない。
 指が一気に引き抜かれ、一息つく暇もなく、今度は彼の熱が捻じ込まれた。
「うああああっ!」
 ズズズッ…と止まることなく、僕の中に入ってくる熱い楔。
 指とは比べものにならないぐらいの熱さと太さに、眼の前がチカチカと点滅する。
 圧迫感に息をすることすら苦しい。
「やっやめっ…!」
「『やめろ』と言うなら、『続けてほしい』という意味だな」
 この人、僕以上の天邪鬼の捻くれ者だっ!
 今更ながらもいろんな意味で身に染みる。
 けれど僕の体は、彼の熱を欲している。
 止まることなく押し入れられているのに、それでも受け入れようと体の力が抜けてしまう。
 挿入されている部分から、ゾクゾクっ…と疼きが上ってくる。
「ううっ…ふっ、んぁあっ、ああっ!」
 縛られている両手では体を支えられないから、顔を枕に押し付けることで衝撃に耐えた。
 イザヤの両手はしっかりと僕の腰を掴んでいて、情け容赦なく根元までびっちり入れられた。
「―全部入ったな」
「そ…ですか」
 イザヤは軽く頬が上気し、髪が乱れた程度。
 でも僕は肩を上げるほど息を乱し、顔も熱くなっていた。
 きっと茹でタコのように真っ赤だろうな。
 さっき泣いたし、眼も赤いだろう。
 イザヤは最奥まで入れたというのに、それでもまだグリグリと腰を押し付けてくる。
「んんっ…あっ、やっ!」
 繋がっている部分から、ジワジワと痺れるような快楽が背中に上ってくる。
「痛くはないだろう? このぐらい、お前なら平気なはずだ」
「まあ、否定は…しませんが」
 正直に言えば、苦しくはある。
 けれどそれがキライなのかと聞かれれば、…皮肉にもイヤではない。
 そういうふうに彼に躾けられたから。
 多少乱暴にされても傷付かないようになってしまった体は、いつも僕の心を裏切る。
 優しくされたい気持ちがあるのに、激しくされると感じてしまうんだから、本当に厄介な育て方をされたもんだ。
 彼の欲望を受け入れたせいで、僕の熱は溜まり続け、ありえないほど膨らんでいた。
 ドクドクと血の音が、自分の中で響くほど限界だった。
「イザ…ヤ、そろそろ前の方…解放してくれませんか?」
 顔を横にずらして言ってみるが…。
「ダメだ」
 …いえ、分かってはいたんですけどね。
 この即答。
 そして始まる、息もつかせないほどの激しい動き。
 ベッドがギシギシと軋むほどの激しい挿入に、眼が眩む。
 快感のポイントをカリ首で擦られるたびに喘ぎ声が漏れてしまう。
 頭の中が真っ赤に染まるほどの快楽と苦痛を下半身の前と後ろで味あわされ、額にじっとりとイヤな汗が出てくる。
 僕の悶える姿がおもしろいのか、イザヤはわざと前立腺を狙って腰を進めてくる。
 けれど彼の形を覚えている僕の体はそれだけじゃ物足りなくて、奥に入れて欲しくてたまらない。
「イッザヤ…、そんなっ、中途半端なのは…あっ、ヤダぁっ」
「そう言っているわりには、お前も腰を振っているじゃないか」
 おかしそうに笑いながら、イザヤは僕のお尻を平手でパシッと叩いた。
「ひゃっ!」
 ぞくっとした体感が生まれる。
 解放できない欲望が溜まった体には、どんなことも快楽にしかならない。
 まるで体の全てが性感帯になった気分だ。
 数回お尻を叩かれ、孔が収縮する。
「ハッ、良い締まり具合だ。オレのを喰い絞めるように、蠢いているぞ」
 意識せずに、自分の中の彼の熱を絞め付ける。
 それこそ彼を逃さないようにと、自分の肉で絡んでしまう。
「んんっ…!」
 そうなると彼の熱がよりハッキリと感じててしまうワケで……前がより一層キツクなってしまうのが悲しい。
 痛みだろうが快感だろうが、彼自身を自分の中で感じる喜びの方が上回ってしまうんだから。
 イザヤはそれでも孔を抉じ開けるかのように、力強く熱を出し入れする。
 先端まで一気に引き抜いたかと思うと、すぐに最奥までズンッと突いてくる。
「かはっ!」 
 何度も繰り返しヤられると、口から唾液が溢れ出た。
 眼を強く閉じると、熱い涙が頬を伝う。
「あっ、あああー!」
 痙攣のごとく揺さぶられ、頭の中が真っ白になっていく。
 けれど熱を解放されたくて、我慢できなくなっていた。
 すでに色がおかしい。
 先走りの液がほんの少し漏れ出ているだけで、僕の中で熱が渦を巻いて暴れているようだ。
 このままじゃ、頭も体もおかしくなってしまいそう…!
「イザヤっ…お願い! イかせて!」
 ぐちゃぐちゃの顔を向けると、イザヤは満足したように笑みを浮かべた。
 勝者の笑みだ。
「―良いだろう。イかせてやる」
 彼の手がネクタイにかかり、一気に解かれた。
「んあっ、やぁああ!」
 口から絶叫が出る。

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