チャラ男とのキス

2011.10.29(12:58)

 男女平等、怖いもの知らず。
 ある意味無謀と言えるのが、アタシという存在。
 …そう、それを一番後悔しているのも、アタシ自身。
「ね~ねぇ、付き合おうよぉ」

ぶちっ★

「い・や」
 笑顔で否定。自分でも眼が笑っていない自覚がある。
 目の前にはチャラ男のにやけた顔。
 コイツ…ホントにしつこい。
 元々アタシは人を差別しない。
 周りに流されたりしないタイプだ。
 だからいろいろとぶつかってきたけれど、負けん気と武道で鍛えた体で乗り越えてきた。
 高校に入ってからは、みんな大人になって安心して過ごしていたのに…。
 元は別のクラスにいたコイツに、何故か懐かれてしまった。
 見た目だけは良いコイツの周りには、たくさんの女生徒がいた。
 まあいろいろあったけど、いつものようにやり過ごしてきた。
 だから周囲は大人しくなったのに、コイツときたら…!
 何度断ってもしつこく誘ってくる!
「アンタもいい加減にしたら? アタシ、別にチャラ男はキライじゃないけど、恋愛対象にはならないの」
「はっきり言うところ、オレ、好きだよ」
 …軽い。
 へらっと笑う顔はキライじゃない。
 大型犬にでも懐かれた気分だ。
 犬はキライじゃないし…どっちかと言えば好き。
 でも人間では別っ!
「他を当たって」
「ヤダ。オレはキミが良いんだもん」

ぴきぴきっ。

 顔が引きつっていく。
 …いっそのこと、警察に相談するか。
 このしつこさは絶対に犯罪的だ。
「そもそもアタシの何が気に入ったの? アタシ、アンタに好かれるようなこと、した覚えないんだけど」
 元々接点が無かったアタシ達、なのにいきなり告白なんてワケが分かんない。
「え~。だってキミ、オレのことちゃんと見てくれるし」
「視力は良いわよ?」
「そうじゃなくてさ」
 伸びをして、改めて真面目な顔をされると…ちょっと胸にくる。
「外見で人を判断しないっしょ? まともに話を聞いてくれるし、真面目に返事もしてくれる。真っ直ぐにオレを見てくれるキミが好き」
「…って、それってフツーのことじゃない?」
「今じゃ逆に難しいよ。だからこそ、キミが良いんだ」
 まあ確かに。
 全く接点が無かったワケじゃない。少しぐらいは面識があった。
 その間に、アタシの良い点を見つけてくれたのは嬉しいケド…。
「…どーも軽く聞こえてしまうのよね」
 悪いけど、どうしてもそこは変えられない。
「じゃっ、とりあえずお試しってのはどお? それでダメだったら、オレも諦める」
 …どーしても、このまま引き下がるっていう選択はないらしい。
「…まっ、今ヒマだし、しばらくなら良いわよ」
「マジで? やりぃ!」
 本気で嬉しそうな顔をされると、まあ別に悪い気はしない。
 …この後のコイツの取り巻き達との戦いの日々は、とりあえず置いておこう。
「じゃさじゃさ! キスしよ~よ」
 いきなりコレか…。
 このテンションは、はっきり言ってウザイ。
 けれどまあイヤではないし…。
「まあ…良いけど」
 そう答えると、わずかに顔を赤くして近付けてきた。
 だから眼を閉じて、応えた。
 柔らかな唇は、何故かとても甘く感じられた。
「ふふっ…」
 大切なモノにでも触れるように頭を撫でられた。
「これからもいっぱいイチャイチャしよ~ね!」
 そのままハグされる。
 ………やっぱり犬に懐かれた気分。
 でもまあ、やっぱり悪い気はしない。



<終わり>
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コメント
初めまして。【ダメ社員】と言います。

これ……長編ですよね?
長編の書き出しですよね!?
続きがありますよね!!?

こういうスタートをされたら、続きが読みたいです!
【2011/10/30 14:31】 | 【ダメ社員】 #mQop/nM. | [edit]
 コメント、ありがとうございます。
 長編と言いますか、続編がありますのでそちらをご覧ください。
 続編を希望する方のリクエストを受けまして書いた作品です。
【2011/10/30 20:53】 | sidare #- | [edit]
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