フリーのシナリオライターとして活動しています
「なっなあ、オレ達、付き合っているんだよな?」
「えっ?」
 真っ赤な可愛い顔で聞いてきたのは、半年前から彼氏彼女の仲になったわたしの恋人。
 出会いは街中で、このコが逆ナンで困っているところを助けたことがキッカケだった。
 そう、可愛いコ。
 わたしより二つ年下の中学2年生の男の子。
 年上の女の人達にしつこく遊びに行こうと誘われていて、困った顔をしていた。
 だからとっさに『姉』のフリをして、助け出した。
 お礼をしたいけど、この後予定があるから、後日改めて礼をしたいからと言われ、取り合えず電話番号とメールアドレスを教えた。
 そして数日後、お茶に誘われた。
 年下に奢ってもらうのも気が引けたが、ガンとして譲らなかった。
 500円のケーキセットを頼んで、二人で楽しくお茶をした。
 その後、何度か連絡をして、二人だけで遊びに行ったりした。
 そして半年前、わたしの方から恋人になりたいと言い出した。
 彼は今のように真っ赤な顔で、OKしてくれた。
 だから恋人同士だと、わたしは思っていたんだけど…。
「そう…よね?」
「…何で疑問で返すんだ?」
「だって改めて聞くから…。恋人でしょ?」
 それは間違いない。
「だっだったらさ!」
 いきなり可愛い顔をずいっと近付けて来た。
 …ホントに可愛いなぁ。
「そっそろそろキ…ス、した方が、良いかなって…」
 ああ、キスがしたいんだ。
 まあ中学生の男の子だし、そういう時期もあるよね。
「そうね。付き合って半年になるし、そろそろ良いんじゃないかな?」
「えっ? ホントに?」
 心底ビックリされると、わたしの方がビックリ…。
「うん。良い時期なんじゃないかな?」
「…何か随分アッサリしてるな。もしかしてもう…」
「ないわよ。今日がはじめて」
 ………本命の人とは、ね。
「だっだったら…!」
「あのね、あせる気持ちも分からなくもないけど、場所変えましょ?」
 ちなみに今、わたし達は休日の公園にいた。
 大きな広い公園には、昼下がりのせいか人がかなりいる。
 ベンチに座って話しているけれど、誰の耳に入っているか分からないし、そもそも見られたくはない。
「あっ、そっか」
 わたしは周囲を見回した。
 ちょっと離れた所に木が植えられている場所がある。
 あそこなら良い影になるだろう。
「こっち行きましょう」
 わたしは彼の手をとって、そこへ向かった。
 そして人気のない所で、わたし達は向かい合った。
「ここならヘーキね」
「あっああ…」
 でも彼は緊張しているのか、動かない。
 木陰の中でも分かるほど真っ赤な顔をしている。
 もう…本当に可愛い。
 街で見かけた時から、わたしは彼に夢中。
 だからわたしの方から、彼にキスをした。
「っ!」
 あたたかく、甘い唇。
 ちょっと触れただけで、すぐに離れた。
「えへへ…」
 自分の顔が熱くなっていく。
 そしてニヤけてしまう。
「~~~!」
「今度はキミからしてね」
 そう言って彼の体を抱き締め、再びキスをする。
 今度は触れるだけの長いキス。
 彼も恐る恐る震えながら抱き締め返してくれる。
 わたしはふと目を開け、彼の顔を見た。
 わたしは彼の全てが可愛いと思えてしまう。
 きっと言ったら怒るから言わないけれど、いつでも思っている。
 そしてわたしも言わないだろう。
 だって年上だから。
 彼に大好きなことは伝えて、夢中なことは隠しておこう。



<終わり>
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【2011/10/27 03:06】 | <Kiss>シリーズ
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