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恋愛小説・「教え子の甘い誘惑」1

教え子の甘い誘惑
10 /10 2017
<あらすじ>
「ねぇ、センセ。オレのものになってよ。そうしたらセンセの言うこと、何でも聞いてあげる」
 そんなことを言い出したのは、アタシが勉強を教える高校の教え子くん!
 アタシを困らせるだけの彼だけど、ピンチのアタシは彼の手を取るしかない…。
 教師生活、どうなっちゃうのぉ~!?
 …そう言われて、アタシのとった行動は…!?

〔アタシだけの問題児〕
 授業開始の鐘の音が、校舎に鳴り響く。
 アタシは教室の扉の前で、深呼吸をした。

―よしっ! 今日こそは来ていますように!

 祈るような気持ちで、扉を開いた。
「おはよう、みんな。楽しい英語の授業を始めるわよ!」
 明るく振る舞い、教壇に立った。
 そして視線を彼の席へ向けて…がっくり項垂れた。
「せっ先生…」
「気にしない方が良いですよ」
「いつものことじゃないですか」
 生徒達が気まずそうに、口々にアタシを慰める言葉を言ってくれる。
「…今日も、なのね」
 あはは…と生徒達の間で渇いた笑いが広がる。
 40人いるはずの席には、1つだけ空席がある。
 彼の席だ。
 今日も彼、世納(せのう)華月(かづき)くんは、アタシの英語の授業に出席してくれなかった。

 思い出すこと三ヶ月前の春、アタシは高校2年の英語を担当することになった。
 教師生活も5年を向かえ、そろそろ担任を持ちたい気持ちがあった。
 だから来年ぐらいは…と考えていた矢先、アタシは彼と出会った。
 彼、世納華月くんはアメリカからの帰国子女。両親の仕事の関係で、6年間、アメリカにいたらしい。
 2年からの編入で、日本の生活も久し振りだから、何かとフォローしてあげようと、職員会議で言われていた。
 けれど…アタシの初授業の日。
 彼はアタシの授業の途中で、いきなり立ち上がった。
「…世納くん? どうしたの?」
「悪いケド、英語はアメリカでイヤってほど学んだんだ。この授業、受ける気は無いよ」
 …と、爽やかな笑顔で教室を出て行ったっきり、アタシは授業で彼と顔を合わせることは二度と無かった。
 さすがに担任の先生や、同じクラスメート達が何かと言ってくれたらしいが、効果はゼロ。

 もう…担任どころか、教師自体を続けていく自信が無くなってきた。
「ごっゴメンね、先生」
「いろいろとオレ達も言っているんだけどさ」
「アイツ、自分が英語得意だからって、天狗になっているんだよ」
 生徒達から慰められる教師…情けな過ぎる。
「…も、良いわ。とにかく、授業を始めます。もうすぐ学期末のテストがはじまるしね。みんな、気合を入れて頑張って」
 1人の生徒の為に、他の生徒達の授業に影響を与えてはいけない。
 アタシは気持ちを切り替え、授業を始めた。
 ―そして無事、終了。
 生徒達は渡されたプリントに、顔をしかめている。
「世納くんのは…机の中にでも入れといて」
「はい」
 彼の後ろの席の生徒が、英語のプリントを机に入れた。
 カバンはある。だから学校には来ているんだろう。
 朝、廊下で見かけた気もするし。
 アタシは深くため息をつきながら、保健室へ向かった。

 保健教諭はアタシと同じ歳で、同じ大学を出た榊原(さかきばら)涼子(りょうこ)がいる。
 美人でビシッとしていて、生徒達や教師達からの信望も厚い。
 しっかりしているから、いろんな人から悩みを相談されるそうだ。
 彼女は実際、カウンセラーの資格を持っているから、いつも保健室は誰かしらいる。
「榊原先生、今良いですか?」
 だからアタシは保健室に入る時は、教師の顔をする。
「アラ、美咲(みさき)。また世納クンに逃げられたの?」
 ぐっさり★と言葉の矢が、胸に突き刺さった。
 この言葉のキツさ…本当にカウンセラーの言葉だろうか?
「ええ。今日も、よ。今日でめでたくなく、3ヶ月が突破したわ」
「それはおめでたくないわね。慰めにコーヒーでもいかが?」
「いただくわ」
 壁際の長椅子に腰をかけ、首を鳴らす。
「ご苦労様。もうすぐ期末テストで忙しい時期に、相変わらずなんて大変じゃない?」
「事実、大変よ。教頭先生からは毎日お小言をいただいているしね。担任の先生も頭痛がするみたい」
「どうりで良く頭痛薬を貰いに来ると思った」
 涼子は肩を竦め、コーヒーカップを渡してくれた。
「ありがと。でもいい加減にしないと、彼、もう夏休み中の補習決定なのよ」
「自業自得ね。でもこれがずっと続けば…」
「ええ、今度は進級の問題になるわ。世納くん、成績自体は良いのだから、勿体無い話よね」
「随分他人事のように言うのね。もう諦めた?」
 イスに座り、涼子は楽しそうに言ってくる。

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こんにちは。

BLを主に手掛けています。
新参者ですが、よかったら仲良くしてください。

sakura

 現在はフリーシナリオライターとして活動しています。活動記録を掲載していきたいと思っています。「久遠桜」の名前でツイッターもしていますので、よければそちらもご覧ください。仕事の依頼に関しては、メールフォールでお尋ねください。

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