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Kissシリーズ・懐きのキス(1)

2017.07.17(01:19)

 高校へと向かっている道の途中、わたしの後ろからついて来るような足音が聞こえる。
 その足音は、わたしが早く歩けば早くなり、遅くなれば遅くなる。
 ピッタリ3メートルの距離をとって、追跡者はわたしを追い掛ける。
 わたしは曲がり角に入り、くるっと振り返った。
 すると追跡者も追い掛けてくるので、ドンッと真正面からぶつかる。
「うわぁっ!」
 わたしの胸のあたりに激突した追跡者は、体勢を崩し、転びそうになる。
 追跡者がとっさに伸ばした細い手首を掴み、支えてあげる。
「はあ…。アンタ、いい加減にしたら?」
「ううっ…。危なかったぁ」
 追跡者はまだ中学2年の少年。
 身長も体格も、高校2年のわたしの方が良い。
「おねーさん、いきなり立ち止まんないでよ」
「アンタが追い掛けて来なきゃぶつからなかったわよ」
「えへへ」
 少年は誤魔化すように笑うと、わたしにぎゅっと抱き着いてくる。
「でもおねーさんとボクの通っている学校は同じだから、行く方向が一緒でもおかしくないだろう?」
 確かにウチの学校は幼等部から大学院まである。
 そこの中等部と高等部に通っていれば、向かう方向も同じでおかしくはない。
「…だけどアンタは寮生でしょう? わたしは自宅通い。どこをどうやったら、通る道が同じになるのよ?」
 寮は学校の敷地内にある為、少年とわたしが同じ道を通ることはまずない。
「う~。そんなツレナイこと、言わないでよぉ」
 軽くスネて、抱き着きながら首を横に振る。
 それはまるで子供がイヤイヤする仕草に見えるけど、コイツは中学2年生っ!
 右手で拳を握り締め、少年の頭に下ろした。

ゴインッ!

「あいたっ!」
「良い歳して、甘えんじゃないわよ。ほら、とっとと学校へ行くわよ」
「ぶぅ~。…なら、手を握って」
 涙目で手を差し出してくる。
 わたしよりも小さな手を握りしめ、歩き出す。
 この少年につきまとわれるようになったのは、ここ最近のこと。

 ある日、少年から告白された。
 けれどあまり恋愛ごとに興味の無かったわたしは、断った。
 それ以来、何かとわたしの近くに現れるようになった。
 中学生という多感な時期だし、ほっとけば飽きるだろうと思っていたのに…。
 飽きることなく毎日毎日、姿を現す。
 友達からは関わるなと言われているんだけど、…何かほっとけなくて。
 まあ別に恋人になりたいってしつこく言い寄ってくることもないし、今のままなら気楽で良い。
「ねぇ、おねーさん。今日も家に行って良い?」
「うるさくしないなら、良いけど」
「じゃあ行く!」
 ぱあっと明るい笑顔を見ると、心が和む。
 恋愛感情ではないにしろ、少年を可愛く思う気持ちはある。
 そして学校へ到着すると、手を離そうとした。
「ホラ、アンタはアンタのクラスに行きなさい」
「う~。おねーさんと一緒が良いのに…」
「3歳の年の差はしょうがないでしょう? ちゃんと授業、受けるのよ」
「うん…。じゃあ放課後に、門の所で待ってるから!」
「はいはい」
 輝く笑顔で中等部の校舎へ向かう少年は、まるで子犬が駆けていく姿と重なって見える。
「はあ…」
 ため息をつきながら、わたしも高等部の校舎へ向かう。
 友達からは気を持たせるようなことはするな、とキツク言われていた。
 けれど、なあ…。
 悲しむ顔を見ると心が痛むし、喜ぶ顔を見ると嬉しくなる。
 一度告白を断っているから、少年も恋人の関係は無いと分かりきっているだろうけど…。
 …確かに少年を気にかけてしまうのは、あのコの為にはならないのかもしれない。
 でもいつか、少年に相応しい可愛い女の子のことを好きになって、わたしから離れるだろう。
 それまでは側にいてあげたいと思うのも……本当はいけないのかもしれない。
 告白された時、正直嬉しいという気持ちはあった。

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