フリーのシナリオライターとして活動しています
『そっそうだよね』
「何だ? シヅキが普通の人間に見えたか?」
『…少なくとも、キミよりは』
「言ってくれるじゃないか。まあ否定はせんがな」
 私は欠伸を一つして、目を閉じた。
「シヅキは父親の代から、この表の世に住んでいる。生まれも育ちもこっちの世界だ。そのせいか、考え方が普通の人間寄りだな。血筋で言えば、本家よりだが…」
『…そうなんだ』
 ハズミの僅かに沈んだ声に、薄目を開いた。
「何だ? シヅキのことが気になるのか?」
『う~ん。…昔、似たようなタイプの人が側にいたからね』
「ほお」
『ちょっと懐かしくなっただけだよ』
 そう言ってハズミは黙った。
 なので私は眠りについた。

 ―その夜。
 不思議な夢を見た。
 ハズミが出てきた。
 ライトブルーのケータイを握り締め、項垂れている。
『…メン。ゴメンなさい』
 そしてずっと謝っていた。
 ケータイの画面には、
(ずっと好きだった。愛してる)
 と写っていた。

付き合う災難 /最後の災難
 ―そして休日。
 私はケータイと花束を持って、バスに乗っていた。
 昨夜、セツカから連絡が入った。
 どうやら私の願いは叶いそうだ。
 ぼんやり流れる景色を見る。
 私の住んでいる場所から電車とバスを乗り継いだ所が、目的地だった。
 やがて目的地にバスは到着した。
 降りてすぐ、海の香りがした。
 …海が目の前だ。
 少し歩くと、目的の場所―墓地に到着した。
 するとケータイが鳴った。
『マカ…ここって』
「ああ、お前の肉体が眠っている所だ」
 ハズミ自身のことは、ソウマに調べさせていた。
 だから迷わず、ハズミの墓へ向かえる。
 だがそこには先客がいた。
 私はケータイを切り、バッグにしまった。
 先客はどことなくシヅキに似た…こちらの方が真面目そうな青少年。
 彼は私に気付くと、頭を下げてきた。
「あなたは羽澄の…」
「生前、友人だった者です」
 それだけ言って、墓に花束を置いた。
 そして手を合わせる。
「…失礼ですけど、羽澄の彼女ではなかったんですか?」
「違いますよ」
 私は女子高校生風を装った。
「本当に友人だっただけです。ところであなたは?」
「あっああ、失礼しました」
 彼は律儀にも頭を下げた。
「羽澄の兄…と言っても腹違いですけど、澄夜と言います。今は中学校の教師をしています」
「―そうですか。私はマカと言います」
 私も頭を下げた。
「あのっ、羽澄のことに関して、何か知りませんか?」
 澄夜は青い顔で、必死だった。
「一年前…羽澄はいきなり自殺をしました。睡眠薬を大量に摂取して…。理由は未だに分かっていないんです。どうしてあんなことを…」
 そう言って顔を手で覆ってしまった。
「…羽澄さんは自殺だったんですね?」
「…ええ。しかし理由が全く分からないのです」
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【2017/07/16 14:33】 | ★マカシリーズ★
【タグ】 小説  マカシリーズ  オカルト  ホラー  映画  携帯彼氏  
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