マカシリーズ・【携帯彼氏の災難!?】12

2017.07.15(15:49)

 店内はそんなに広くはない。
 ぐるぅ~と一周し終えて、ハズミを見た。
「どうだ?」
『うん、ヘアピンなんてどうかな? さっきビーズで装飾されてる可愛いヘアピンあったじゃん』
 ヘアピン…と言うと、あそこか。
 私はヘアーアクセサリーの棚に来た。
「どれだ?」
『あっ、アレ! あの水色の、花のラインストーンとビーズのヤツ!』
「あー、アレか」
 私は手を伸ばした。割と高い所にある。
「んっ、んんっ」
 指先をかすめるも、取れない。
『マカ、店員の人呼んだら?』
「それもそうだな」
 私は振り返り、二階にいる店員に取って貰った。
「コレだろ?」
『うん、そうそう! 良いと思わない』
 ヘアピンは2個セット。
 水色の花はラインストーンで出来ていて、花の下に青のビーズがつながっている。
 ちょっとかんざしに似ているな。
「うん、良いな。コレにする」
 そう言って店員に渡す。
「プレゼント用だ」
「かしこまりました」
 店員に可愛くラッピングしてもらい、私は会計を済ませた。
 そして店を出て、お昼近くになっていることに気付いた。
 人が多くなってきている。
「さて、どうせなら菓子の一つでも作ってやるか」
『マカ、お菓子作りするの!?』
「…良い反応だな、ハズミ」
 私はにやっと口だけ笑い、ハズミを睨んだ。
『ちっちがっ…! ホラ、マカって人に命令してやらせてる場面が多いからさ』
 ハズミはあたふたと手と首を振りながら、必死に言った。
「まあな。でも自分で料理や菓子ぐらい作る。こったものではないにしろ、一般的なものはな」
『じっじゃあクッキーとか?』
「それでも良いが…ミナはゼリーが好きなんだ。ケーキは毎年、ミナの母親が手作りで作っているし、少し豪華なゼリーで良いだろう」
『ゼリーか。良いなぁ。オレもマカの作ったの、食べてみたかった』
 少し悲しそうな顔で言っているのは、自分の状態が分かっている証拠だ。
「…そうなったのは自業自得だろう? 次に生まれ変わる時まで、私は生きているからな。運良く記憶が残っていれば、会いに来い」
『うん!』
 お菓子の材料を買いに、店へ向かおうとした時。
『でも…さ』
「うん?」
『さっきのお店の時とかさ…。やっぱり現実でマカと一緒にいたかったな。そうすれば…』
 …そこでハズミの言葉が切れたので、私も何も言わなかった。
 私はそのままゼリーの材料を買って、家に帰った。
「ただいまぁ」
「おかえり、マカ」
「どこに行ってたんだ?」
「んっ? セツカにシヅキ。どうした?」
 リビングには二人がいて、三人のメイドがいなかった。
「三人はちょっと用があって出てるよ。ボク等は代役」
「それに分かったことがあったからな」
 シヅキがフロッピーディスクを手にした。
「早いな」
 私はテーブルに材料を置き、ソファーに座った。
「シヅキに急かされてね。マカやルカが心配だって」
「万が一のことがあったらどーする?」
「昨日からコレばっかだよ。おかげでボク、徹夜なんだけど」
 確かにセツカの目は赤かった。
 こういう機械関係は、セツカの方が強いからな。
「まっ、何はともあれご苦労。礼を言う」
 そう言ってシヅキからフロッピーを受け取った。
「ヒミカからは?」
「お前達より先に呼び出され、もう受け取った」
 カバンから茶封筒を取り出し、シヅキに見せた。
「早いな」

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