マカシリーズ・【携帯彼氏の災難!?】9

 忌々しそうに私を睨んでくる。
「黙れ」
 だが私も負けない。
 彼女を抱き締めたまま、男を睨み返した。
「私の眼の届くところで、余計な事件を起こすな。己が死を受け入れられぬ半端者がっ!」
 ぐっ、とケータイに気を入れる。

バチバチッ!

 握っているケータイから電気が放たれる。
『うあっ!』
「道連れがいなければ成仏も出来ないか? そういう存在こそ、私を一番苛立たせる! とっとと消えろ!」

バチンッ!

 最後に強烈な電気を放ち、ケータイの画面は黒く染まった。
 黒い画面に映るのは、私の赤い両目。
「ふぅ…」
 …いささか気を使い過ぎた。
 まさかこの子から、気を奪うワケにもいかないしな。
『マカ! 大丈夫?』
 ハズミが声をかけてきたので、私は自分のケータイを見た。
「…何とかな」
『アレ? キミの両目…赤い?』
「ああ、ウチの血族は力を使うとこうなる…。私は万物の気を使うからな」
 一時、私のことが都市伝説になったこともあったっけ。
 そんなことを思いながら、ハズミの心配そうな顔を見る。
「ハズミ、悪いがカエデに電話を通してくれ」
『うっうん、分かった』
 するとハズミの姿が消え、カエデの電話番号が画面に映った。
 私はケータイを耳に当てた。
「マカ様? どうされました?」
「ああ、カエデ。悪いんだがな…」

 2時間後。
 私は自宅のマンションのリビングのソファーで、のびていた。
「とりあえずあの少女は記憶を操作して、家に帰らせましたわ。よろしかったですか?」
「…ああ、手間をかけさせたな」
「マーちゃん、大丈夫ぅ?」
「はい、お水」
 レイラがストローを差し出してきたので、私は寝そべったまま啜った。


付き合う災難
「でもまあ…助かって良かった。まさに危機一髪だったがな」
「良いことしたねぇ。イイ子イイ子」
 モモが頭を撫でてくれた。
「しかし…予想以上に向こうの力は強い。私にこんなに疲労させるなんてな」
「消滅させたせいもあるでしょう? マカさん、無茶しすぎ」
「そう言うな、レイラ。あの子を助けただけでは終わらなかったんだからな」
 そう、現況を何とかしないことには、解決したとは言えない。
 私は深く息を吐いて、テーブルの上のハズミを見た。
『マカ、少しは落ち着いた?』
「まあな。休めば回復する」
 多少は…。
「今日は早目に休むか」
 起き上がるぐらいには回復出来た。
「あっ、それでは準備を…」
「いや、今夜はハズミと二人にさせてくれないか?」
 そう言うと三人は不安そうな顔になる。
「ちょっと話し合いたい。何、終われば声をかける」
「…分かりました」
 カエデの了承を得たので、私はケータイを持って、自室へ入った。
『…話しって?』
 ハズミの表情は、先程から暗い。
 私は座椅子に座り、テーブルにケータイを置いて、ハズミと向かい合う。
「いや、ちょっとな。お前の方が私に聞きたいことがあるんじゃないかと」

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ジャンル : 小説・文学

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