フリーのシナリオライターとして活動しています
「うん。私のケータイをいじった理由が知りたかっただけだから」
 そう言ってその場を離れた。
「まっ、ある意味、筋は通るな」
 低い声で呟く。
 自分の命がかかっているなら、なりふり構っていられないだろう。
 ある意味、客観視できる。
 きっとあの時間に私の教室に忍び込んだのも、計算だったんだろう。
 音楽室へ移動した後、誰かケータイを忘れていないかと机の中を調べていたら、偶然たまたま私のケータイを見つけてしまった。
 そして赤外線で移したのか。
 それでも何とかなると、私はこの瞬間まで思っていたのだが…。

「じゃーん! 見て見て! マカ、あたしもケータイ彼氏出来たのぉ」
 んがっ!
 教室に戻ると、席に座っていたミナが笑顔でとんでもないことを言ってきた。
「みっミナ…。昨日、あれほど言ったのに…」
「だぁってぇ、マカから聞いたらどぉしてもやりたくなっちゃって。でも夢中になりすぎて、もうすぐラブゲージ100いきそうなのぉ」
 って、ちょっと待てっ!
 0か100にいったら、ヤバイんじゃなかったか?
 いや、マズイんだっけ?
 いやいやっ、どっちも同じだ!
 ミナは嬉しそうにケータイを見せてくれた。
 少し長めの黒髪の青少年が、ミナのケータイの待ち受けにいた。
 切れ長の黒い目、白い肌。
 真面目で神経質そうな顔立ち。
「えへへ。ちょっとマカに似てるでしょ? 名前はマミヤくんって言うんだ」
「…んのアホォ!」

ゴッ!

「いったぁい!」
 拳骨をミナの頭上に落とした。
「ケータイ没収! このバカ娘ぇ!」

災難のハジマリ /真実の災難
「アンタもホント、苦労するわね」
「…言うな、ヒミカ」
 ソウマの店で、ヒミカ、セツカ、ルカ、シヅキ、そして私の五人がそろっていた。
 ヒミカは専門学生で19歳の女性。
 セツカは男子中学生で15歳。
 ルカは女子大学生で20歳。
 そしてシヅキは25歳の男性で、地下鉄の駅員だ。…普通の【地下鉄】ではないが…。
 四人とも、私とは血縁関係がある。
「…もうカンベンしてくれってカンジだ」
 四人は苦笑しながら、テーブルに置かれたケータイの男を見ていた。
 私達が囲むテーブルの上には、携帯彼氏についての報告書が散らばっていた。
 ソウマはすぐに調査をしてくれ、結果が出た。
 それをわざわざ資料にして、今日呼び出したのだ。
 この四人は私が呼び出した。
 いろいろと…関係あるから。
「でもビックリだね。今のケータイって、ホントなんでも出来る。まあボクが言うのもなんだけどさ」
「セツカが言うと、説得力があるよなぁ」
 シヅキが頬杖をつきながら、ニヤニヤした。
「でも…どうするの? ミナちゃんの方は」
 ルカがたたまれたままのピンクのケータイに視線を落とす。
「それなんだがな、ルカ」
「うん」
「悪いが、赤外線でお前のケータイに移してくれ」
「…はい?」
 ミナのケータイを、ルカに差し出す。
「しばらくの間だけで良いんだ。解決法を見出したらすぐに解除するから」
「って、しばらくケータイが彼氏なの!?」
「そう。ラブゲージにはくれぐれも気を付けろ」
 ルカはブツブツ言いながらも、二台のケータイを操作した。
「…OK」

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【2017/07/13 20:24】 | ★マカシリーズ★
【タグ】 小説  マカシリーズ  オカルト  ホラー  携帯彼氏  映画  
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