フリーのシナリオライターとして活動しています
 …一理あるな。
「そうだな、そうしてくれ」
「かしこまりました」
 カエデが電話をしに、退室した。
 次期当主ということで、異性関係にウルサイのだ。
「でもどうするの? 飼い続けるの?」
 レイラがミートローフを切り分けながら聞いてきたので、少し考えた。
「ふむ…。まあ少しぐらいなら相手しても良いが…。何分、作ったのが他の女だからな」
「自分の彼氏を押し付けてきたようなモンだもんねぇ。タチ悪っ!」
 モモが心底イヤそうに言ったので、私は苦笑した。
「押し付けてきたのも、理由があってのことなんだろう。明日、聞いてみるさ」
 そう言いつつ食事を進める。
「マカ様、当主からの許可がおりました。本日とは言わず、しばらく住み込みになりますので」
「ぶっ! …まあ良いが」
 過保護にも程があるな。
「あと当主からの伝言がございます」
 ふとカエデは真面目な顔になった。
「『今回の件はウチの血縁は関係無い』とのことです」
「…他の人間の仕業だと言うのか?」
「そこまでは分かりませんが…。とにかく、この件に関して我が血族は絡んでいないということですね」
 何だ、てっきり絡んでいるものだと思ってた。
 コレと似たような手口を知っているからな。
「しかし…普通の人間に出来る芸当か?」
「ありえなくはないわよ。人間にもいろいろいるもの」
 レイラの言うことにも一理ある。
 その後、ケータイは開かず、充電した。 
 3人はずっと一緒にいて、見張りのような役目をしていたからだ。
 本当はいろいろ聞いてみたかったんだが…。
 だが翌朝、事態は急変する。


「えっ? 休み?」
「うん…。何か体調悪いんだって」
 私に男を押し付けてきた女の子の教室を、朝一に訪ねると、知り合いにそう言われた。
「まいったな…」
 まっ、考えていないことではなかった。
 予想はしていた。私から逃げるだろうことを。
「…ねぇ、もしかして携帯彼氏、押し付けられた?」
 知り合いが上目遣いに、不安そうに聞いてきた。
「よく分かったわね」
 そう言ってケータイを開いて見せると、知り合いは短い悲鳴を上げた。
「やっぱり…!」
「えっ? 知ってたの?」
「うっうん…」
 知り合いの顔色は真っ白になっていく。
「その、知らないの? 携帯彼氏のこと」
「うん、全く」
 素直に頷くと、知り合いは私から一歩距離を取った。
「今…それがウワサになっていてね」
 またウワサか…。
携帯彼氏を持つと、死んじゃうってハナシ」
「ふーん」
 まあありがちだな。
 しかし知り合いは、私を変なものでも見るような目付きで見てくる。
「怖く…ないの?」
「あんまり。実感が無いからかな?」
 本当はこんなのに負ける気が無いからだ。
 こっちの世界では、気圧されたら負けを認めた証拠。
 強気でいたほうが何かと良い。
「じゃあ彼女は自分が死ぬのを恐れて、私にコイツを押し付けてきたってワケ?」
 ケータイを閉じると、知り合いはまた一歩近付く。
「多分…。ゲージが一ケタ台になって、随分落ち込んでいたから」
「ゲージ…」
 それが生死を左右するのか。
「ナルホド。分かった、ありがと」
「えっ? いいの?」

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【2017/07/13 20:16】 | ★マカシリーズ★
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