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『きっキミの名前ってマカって言うの?』
「ああ、そうだ」
『いっ良い名前だね』
「そりゃどうも」
 両親の名前の頭文字を合わせただけの、言わば語呂合わせのような名前だが。
『………』
「じゃあな」
『わああ! もうちょっと話そうよ!』
 男は涙目で訴えかけてくる。
「何だ? 私は腹が減っているんだ」
『ちょっとだけでも良いから、話そうよ。オレ、寂し過ぎるよ』
「知ったことか」
 そう言うと、再びゲージと数値が下がる。
「あっ、もう10だ」
 確か最初見た時は50だった。
『わっ! 早! 上がるのが早い場合はあるけど、下がりでここまで早い人はいないよ!』
「何事にも始まりはある」
『上手いこと言ってる場合じゃないって! …ピンチなの、分かってる?』
 挑発的なその目に、カチーンッ★ときた。
「ほお…。何だかおもしろそうなことになりそうだな」
『まあ人によっては、だけどね』
「ふぅん。だが一つだけ、お前に警告してやろう」
『なに?』
 私は起き上がり、真っ直ぐに男と向かい合った。
「生憎と私は普通の人間ではない」
『…えっ?』
 男がマヌケ面になった。
「お前のようなヤツを、自ら生み出すことすら可能の者だ。無論、消すこともな」
 にやっと笑うと、男はおびえた顔になった。
「さしずめ私自身に何かあると見た。だがな、お前と私、どちらが強者かハッキリするだけだぞ?」
『そっそんなこと…!』
「無い、と言いたいか? だがな、お前も感じているはずだ。私のケータイに宿っているんだからな」
 男は歯を食いしばった。
 ケータイに宿るということは、内容を知るということだろう。
「今はまだ、相手をしてやる。だが危害を加えようとするなら、容赦はせん」
『…んだ』
 真正面からはっきり言うと、ぼそっと何かを呟いた。
「何だ?」
『ラブゲージって言うんだ…。ゼロになってもヤバいし、100になってもマズイ』
 ラブゲージ? …ああ、さっきから下がりっぱなしのコレか。
「ならちょうど良いのが半分か」
『うん…』
 しかし今はもう5だ。
「何をすれば上がる?」
『オレに触るとか』
「こうか?」
 画面越しに、男の頬を撫でる。
『うわっ、くすぐったい』
 男が嬉しそうにそう言うと、ゲージがわずかに上がった。
 なので頬や頭、首を撫でてやる。
「ほれほれ」
『わひゃっ!? アハハ!』
 すると声を上げて笑い始めた。
 数値は30まで上がった。
「楽しそうだけど、準備が出来たわよ」
 レイラがニコニコ顔で言ってきたので、私は容赦なくケータイを閉じた。
「今、行く」
 テーブルには私一人分の料理が並んでいる。
 ビーフシチューにパン、フルーツサラダ。そしてミートローフは私の好物だ。
「飲み物は?」
「紅茶にしてくれ」
 言ってすぐ、紅茶のカップが置かれた。
「いただきます」
 私は手を合わせ、ガツガツと食べ始める。
「うん、美味い!」
「ありがと♪ でもさぁ、アレだったらアタシ達、泊まろうかぁ?」
「うん? 何でだ? モモ」
「だってぇ、ケータイ越しとは言え、男とマーちゃんを二人っきりにすると、当主から怒られそうなんだもん」

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【2017/07/13 19:46】 | ★マカシリーズ★
【タグ】 小説  マカシリーズ  オカルト  ホラー  携帯彼氏  映画  
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