スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【黒き手が…】・4

「…悪いけど、あたしにはマカがいるから」
 だからハッキリと断った。
「そっか。分かった」
 アキはアッサリと引き下がった。
 中学時代、このアキのサバサバしたところに惹かれていた。
 何にでも行動的で、自信家。
 周りがどう言おうと、自分の意思を正しいと思って進んできたアキ。
 けれど…人を傷付けることにすら、罪悪感を感じないアキに、ミナは少し恐怖を抱いていた。
 高校に入って、マカに出会ってからはそんな恐怖は抱かなかった。
 …まあアキとマカの仲が良くなかったというのもあるが。
 廊下でアキとちょっと話すことがあっても、マカは良い顔をしなかった。
 元より嫉妬深いと感じてはいたが、アキと世間話をするだけでムッとされてしまう。
 そんなマカの感情に気付いたのか、アキもマカに近付こうとはしなかった。
 まあ片や教師受けが良く、クラスメート達にも人望の厚い優等生。
 片や教師の間でも、生徒達の間でも評判が良くないギャル生徒。
 比べるまでもなく、性格的に合わないのだろう。
 だからこの誘いは断って正解だ。
 アキも何が目的で、元の鞘に戻ろうなどと言い出したのか…。
 分からないまま、校門の所でお開きになった。
 学校から近いミナは、人通りの多い所を選んだ。
 マカが最近、霧が濃いのを気にしていた。
 おかしな奴がうろつくだろうから、人通りの多く、明るい所を歩いて帰れと。
 できれば夜、出歩かないようにとも言われていてが、今夜は仕方なかった。
 ため息をつきながら歩いていると、すれ違った人と軽くぶつかった。
「あっ、ゴメンなさい」
「いえ、ボクの方こそぼんやりしていましたから」
「おや、どうかしました?」
 ぶつかったのは、ミナより幼い少年だった。
 そして少年には青年が一緒にいた。
「ちょっとぶつかっただけだよ。それよりキミ…」
「はい?」
 少年はじっとミナを見た。
 そして苦笑を浮かべる。
「―なるほど。彼女が苦労するわけだ」
「えっ?」
「あっ、いやいや。それより、あんまり危ないことには首を突っ込まない方が良いよ」
「えっ、えっ?」
 意味が分からず首を捻ると、二人は互いに苦笑いを浮かべた。
「まっ、彼女なら何とかしてくれるでしょう」
「そうだね。キミにベタ惚れだから」
 そう言って二人は歩き出した。
「えっ…」
 言われたことが分からず立ち止まっていたミナだが、ふと気付いた。
「あの男の子の声、どこかで…」

伸びる黒き手
 その夜。ミナは不思議な夢を見た。
 アキが深夜、踏み切りの前に立っていた。
 電車がもうすぐやって来る。
 アキは待っている、電車が通り過ぎるのを。
 しかし電車が目の前までやってきた時。

―アキの背後から、黒い手が伸びた。
 そしてアキの背は押され、その体は電車の前に―

「………っ!」
 電車のライトに照らされ、アキの恐怖に引きつった顔が浮かんだ。

にほんブログ村 小説ブログ ホラー・怪奇小説へ
にほんブログ村←よかったら、ぽちっと押してください。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

訪問者数
最新記事
カテゴリ
最新コメント
お手紙はこちらにお願いします
義援金募集
FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集につきまして
同人誌を委託販売しています
CREATE うさぎ屋総本舗 CREATE CREATEの作品一覧
Kissシリーズ
アルファポリスランキング
BL風味・ホラー/オカルト短編集 うそでも良いから欲しい言葉 Fascinated by the darkness 空に月が輝く時 Boys Summer Love! SUN sweet poison 狂恋 甘い鎖 ハデな彼に、躾けられた、地味な僕 アルファポリス・ブログ
クラウドワークス
クラウドワークス
クラウドソーシング
クラウドソーシング「ランサーズ」
プロフィール

sakura

Author:sakura
 現在はフリーシナリオライターとして活動しています。活動記録を掲載していきたいと思っています。「久遠桜」の名前でツイッターもしていますので、よければそちらもご覧ください。仕事の依頼に関しては、メールフォールでお尋ねください。

私の作家としての活動の場です
検索フォーム
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
ランキングに参加しています





にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村 小説ブログ ホラー・怪奇小説へ
にほんブログ村 小説ブログ 小説家志望へ
ブログランキング・にほんブログ村へ
ランキング
ニコッとタウン
絵本のような仮想生活コミュニティサイトです☆
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。