フリーのシナリオライターとして活動しています
「人として生きるのもタイヘンだね。血族の力の使い方を忘れてしまうんだから」
「闇っ…に堕ちる、よりは…マシだ…」
「言うねぇ。流石はボクの姉さんだ」
 マノンはククッと笑いながら、顔を近付けた。
「決着を付けたいのはヤマヤマだけどね。あいにく、まだボクの体はちゃんと出来ていない。延長戦といこうか」
「なにっを…」
 マノンはニッコリ微笑むと、マカから離れた。
 そして両手を広げると、白い光に包まれる。
「なっ…!」
 マカは必死で顔だけ上げた。
 しかし光の中に、白い物体を見つける。
 それは人の形をした小さいモノ。
「まさか…」
 例の人形。
 それが次々にマノンの体に吸い込まれていく。
 するとマノンは光の中に溶けていく。
「とりあえず、しばらくは維持できるかな? またね、姉さん。そして父さん、母さん」
 マノンは笑顔で手を振り、光に溶けて消えた。
 そしてそこにはマカとマサキ、カノンの三人が残った。
 ―誰一人、身動きが取れなかった。


『未来へと続く絶望の闇』
「…結局、私は何も出来なかったな」
 例の店で、マカはテーブルに雑誌や新聞を広げながら呟いた。
 マカの向かいに座る店主は、困り顔でブレンドティーを淹れた。
「…マカは頑張りましたよ。ちゃんと人形の件を済ませました」
 そう言って店主はカップをマカに差し出した。
 一口飲んだが、マカの憂い顔は晴れない。
「何を済ませたと言うんだ…」
 結局その後、カノンを通じてマサキが人形の製作と配付に関わっていることを、マサキ自身から聞いた。
 止めるように言うと、マサキはすぐに止めた。
 それでとりあえず、死者がよみがえるというウワサは消えた。
 しかし………。
 人形を所有していた者が、一気に失踪した。
 マカの見ていた雑誌や新聞には、その記事が大きく取り上げられている。
 しかし人形の件は、マカの血族が揉み消した。
 血族のことは、何が何でも秘密にしなければならない。
 その為ならば、手段は問わない。
 …マカ自身も、手段を持っている。
 気を操る力を持つゆえに、相手の気をも操れる。
 その力で肉体の能力を高めたり、相手の記憶もある程度ならば変えられる。
 実際、親友だと言っていたミナにも使ったことがあった。
 それまでの自分を消すのは、ある意味自殺行為に等しかった。
 だが自分自身の身から出たサビ。
 『人の生気を吸う学生がいる』などと言う、都市伝説が流れてしまっていたのだ。
 自分で何とかしなければならなかった。
 しかし今回の件は…。
「そういえば、結局マサキさんとカノンさんのことは…」
「…とりあえず、本家に監禁だ。カノンはそのままとして、マサキはカノンと共にいてもらうことにした。だが外部との接触は一切させない。出られる期限も出していない」
 そう言ったマカの表情は険しかった。
「まっ、マサキの会社は優秀なのが多いからな。別にアイツ一人いなくても平気だろう」
「…そうですか」

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【2017/05/26 16:43】 | ★マカシリーズ★
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