フリーのシナリオライターとして活動しています
「…何でしょうか?」
「動くな」
 なっ何事? 
 デスの行動は突発過ぎて、理解が追い付かない。
 戸惑っている間に、首元にチャラっと金属音がした。
「えっ…?」
 視線を自分の胸元に向けると、黒い十字架があった。
 金属音はチェーンの音だったのか…じゃなくて!
「えっえっ? 何ですか? コレ」
 十字架を手に取ると、ひんやり冷たい。
 けれど月の光に反射して、まるで彼の眼のような漆黒の輝きを放っている。
「持っていろ」
 そう言い放つと、今度は後ろから抱き締めてきた。
「あのぉ、プレゼントなら喜んで貰いますけど…そう思っても良いんですか?」
「ああ」
 間近で聞こえるデスの艶のある低い声に、背筋に甘い痺れが走る。
「めっ珍しいこともあるもんですね。最近頑張っているご褒美ですか?」
「それもあるな」
 それもってことは、まだあるのか。
 でも別に今日は特別な日じゃない。
 僕の誕生日でもないしなぁ…と言うか、誕生日にデスからプレゼントをもらったことなんて一度もない。
 いつもの彼特有の気まぐれだろうか?
 デスは僕の顔の近くで、ニヤッと笑う。
「嬉しいか? 主人からの贈り物は」
「まあビックリはしましたけれど、素直に嬉しいですよ」
 後ろから抱き締められているせいか、それとも気持ちのせいか、全身が温かい。
 気まぐれでも、こういうことをされるのは嬉しい。
「でも本当にどうしたんですか?」
「首輪のつもりだ」
 …これはまた、意外な言葉が出てきた。
 首輪…所有の印か。
 キスマークや痣はいくらでも隠せるしな。
「誰に見せつけるつもりで、こういうことをしようと思ったんです?」
「いろいろなヤツだ。お前は少し、無防備過ぎるからな」
 デスは暗にラバーのことを言っているんだろうか? 
 でもちゃんときっぱり断っているんだけどなぁ。
「仲間だと思うと、お前は気が緩むからな。少しは気を付けてみたらどうだ?」
「はあ…」
 と言いましても、幹部以外には滅多に人にも会わないのだけど…。
 たま~に会う仲間ぐらいは、気を許しても良いのではないかと思う。
 でもデスが嫉妬しているのが嬉しく思うので、言葉には出さない。
 執着心を見せてくれることなんて滅多にないし。
「ちなみにその、ラバーには?」
「アイツに何であげなくちゃいけない?」
「えっ、だってその…」
 ラバーも僕と同じで、デスと体の関係を持っている。
 彼の中で、僕とラバーは同じ位置だと思っていたからだ。
「…お前、気付いていないのか?」
 急に不機嫌な声が聞こえてきたので、顔だけ振り返る。
「何がですか?」
「……いや、何でもない」
 途中で止められると、非常に気になるんだけど…。
 でもそこで闖入者が現れた!
「マジシャン、デス! 何してんだよ!」
「わっ!」
「…ラバー」
 闖入者ことラバーは、僕とデスの間に割って入った。
 デスの眼が不機嫌そうに僅かに吊り上る。
「らっラバー? 突入は?」
「チャリオットとストレングスが今している。ストレングスは先の仕事が終わって、こっちに急遽参加することになったんだって」
 ラバーは僕の腕に絡み付き、デスを睨むように見ながら説明を続ける。
「それでオレはこっちに合流することにしたんだ。なのにいくら二人っきりだからって、仕事中に何してんだよ!」
「めっ面目ないです」
 夜の屋上に、ラバーのキンキン声が響く。
 ちなみにストレングスは『力』。
 チャリオットとパートナーを組むことが多く、ストレングスもまた戦闘部隊だった。
 現場から大きな爆発音と、複数の人間の悲鳴が響いてきた。
「っと、合図ですね」
「行くか」
「だね」
 僕とデス、ラバーは現場に視線を向けた。
 とそこで、ラバーが僕の十字架に気付く。
「あれ? マジシャン、その十字架どうしたの?」
「えっ! えっと…」
 僕は何と答えたらいいか分からず、ついデスに視線を向けてしまった。
 その行動を見て、ラバーの表情が引きつる。
「もしかして……デスに貰った?」
「あ~…うん」
「ムっ!」
 瞬時に怒りの表情になったラバーはデスを睨むも、彼の視線は現場に向かったまま。
「らっラバーには僕から買ってあげる」
「…それなら良いけど」
 そう言ってぎゅうっとしがみついたかと思うと、にっこり微笑む。
「どうせならペアの指輪が良いな。お互いの役名入りのとかさ」
 …ラバー、乙女なのは仕事のせい? 
 役職が私生活にまで影響しているんだろうか?
「いっいや~、それはちょっと恥ずかしいかも」
「え~? じゃあオレからマジシャンにプレゼントするから、絶対つけてよね?」
「…オフの日ならね」
「えっー!」
「いつまでしゃべっている。行くぞ」
 デスはコートを翻し、扉へ向かう。
 僕は助かったとばかりに話題を変える。
「だって。旅行の為にも頑張ろう?」
「そうだな。ちゃっちゃと終わらせて、マジシャンにいっぱい甘えよーっと」
 …いや、できればほっといてほしい。
 もしかしなくても僕の休日って、この二人から解放される日なのでは? 
 と思わなくもなかった。



【終わり】

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【2012/01/05 12:18】 | BL・<Fascinated by the darkness>
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 やっぱり昨夜の噛み付きは、キスマークを見つけられたから、だったか。
 …もう乾いた笑いしか出てこない。
「マジシャンはデスの言うことやることには、一切逆らわないの?」
「うっう~ん。まあ、ね。何度も言っているけど、僕は彼のモノだし。それに本当にイヤだと思うことは強制されないし」
 とは言え、僕は彼絡みのことではいろんな感覚がマヒしてしまっているので、本当にイヤなことが何なのかは、自分でも理解していないんだけど。
 ラバーは僕を真っ直ぐに見ながら、可愛い顔をしかめた。
 相変わらず今日も天使のように可愛いなぁ。
「マジシャンはデスにはMだけど、オレにはSだな」
 …しかし言うことは、小悪魔だ。
「えっ? 僕、ラバーには甘いと思うけど?」
 『デスにはM』と言う部分は、あえて触れなかった。
 …確かにマゾな部分もあるしな。
「甘いところもあるけど、イジワルなところもある。アメとムチって言うんだっけ? そういうの、上手く使い分けている」
「そっそうかな?」
「そうだよ。…まっ、良いけどね」
 そう言ってラバーはロビーに向かって歩き出した。
「オレ、サドってキライじゃないし? 痛いのも苦しいのも、気持ち良いって知っているから」
「ラバー、朝から何言ってんの?」
「うん。だから気長に待つことにする。オレ、待つのは慣れているから」
 ニヤッと笑いながら、ラバーはロビーに入って行った。
「気長に待つって……」
 まさか僕がデスに捨てられるのを、だろうか? 
 いや…、多分、そう……なんだろう。
 僕は深くため息をつきながら、紙袋を持ち直し、自分の部屋に入った。



 最近よく思う。
 鷹近の選択の時、もし僕が自由の身を選び取ったら、休みも取り放題だっただろうな、と。
「そうなると勿体無いことをしたかな?」
「何がだ?」
 思わず呟いた言葉だったが、デスに聞こえてしまった。
「……いえ、何でも」
 僕はすかさず彼から視線を外した。
 今は深夜、僕とデスは街中にある高層ビルの屋上へ来ていた。
 フールの失敗を払拭する為に。
 今回の仕事内容はとある麻薬取引の現場に行き、そこにいる者達を全員殺すことだった。
 フールはまず麻薬を買う側を装い、大本を探り出すのが役目だった。
 ところが途中で相手に不信感を抱かれてしまい、情報を探れなくなったとのこと。
 なので僕とラバーがフールの役目を引き継ぎ、情報を集めた。
 大本を探った後は、今夜の取引についてのことを調べた。
 集めた情報はデスからハーミットへ渡り、そしてエンペラーの命が下った。
 そして仕事をしているわけだけど……何か最近、体の動きが鈍くなっている気がする。
 …いや、原因は分かっていた。
 再び三人暮らしをしているのだが、デスの夜の相手と、ラバーとの攻防戦を毎日のようにしているからだ。
 ラバーはあの一件以来、何かと僕を誘ってくるので、僕は逃げるのに必死。
 …あの小悪魔ぶりは本当に参る。
 デスの相手は肉体的に、ラバーの相手は精神的にキツイ。
 これがほぼ毎日繰り返されれば、いくら僕だって疲れは溜まる。
 まあラバーがデスの相手をしないだけ、マシかもしれないけど。
「旅行は温泉が良いですね。人が滅多に訪れない山奥の隠れ家的みたいな所で、ゆっくりしたいものです」
「ラバーに言え」
「言ったら年寄り臭いと言われましたよ」
 旅行の行先については、未だに決まっていなかった。
 ラバーはテーマパークを回るか、外国へ行きたいらしい。
 まあ彼らしいと言えばそうだけど、僕はゆっくり休みたかった。
「デスはどこがいいですか?」
「俺はどこでもいい」
 …そう言うと思いましたよ。
 でも本当なら僕とラバーだけだと思っていたのに、デスまでついて来るとは驚きだ。
「三人で旅行なんて久しぶりですね。デスまで一緒とは珍しい」
「そうか?」
「ええ。いつもなら僕とラバーの二人だけっていうのが多いですから」
 僕とラバーは滅多に会えない分、まとまった休みが取れた時は二人で旅行することが多かった。
「まあ同行するのがデスならば、ラバーも文句言わないでしょう」
「それはどうかな?」
 しかしデスはフッと笑い、メガネの奥の眼を細めた。
 あっ、バレてたか。
 デスが同行すると言い出した時、ラバーはかなり動揺した。
 けれどデスの一睨みで黙ったけれど……。
 僕と二人っきりで旅行できるのはかなり久し振りだと喜んでいた分、落ち込みも激しかったな。
「それにしても合図はまだですかねぇ」
 先鋒部隊はラバーとチャリオットが行っていた。
 僕達は取り引き現場の向かいのビルにいるので彼らが合図を出し次第、移動&攻撃に移る。
 小型の双眼鏡で覗くと、少し騒ぎ出したみたいだ。
「あと数分後って感じですね。準備を…」
 とそこまで言って、背後にデスの気配を感じた。
 僕の集中が逸れている間に、いつの間にか後ろに回っていたらしい。


【2012/01/04 08:02】 | BL・<Fascinated by the darkness>
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「だが一気に全部入ったぞ」
 そりゃあそうですけどね!
 僕は肩が上がるほど荒い息を繰り返しながら、それでも衝撃に耐えた。
 やがて深く繋がった部分から、じわじわと快楽が背筋に上ってくる。
「あっんっ…! はあ…!」
 出る吐息も熱い。
 彼を下の孔で咥えたまま、ゆっくりと腰を回し、体に馴染ませる。
 そして再び彼の首に両腕を回し、抱き着く。
「イザヤ…」
 彼の首筋に顔を埋め、匂いを嗅ぐと、下半身に甘い痺れが走る。
 そうして熱に浮かされたように、腰を上下に動かし始めた。
「あっああっ…イザヤ、イザヤ!」
 こうなるともう自制心など無い。
 ただ無我夢中で、彼を貪るだけ。
 今度は両膝を立て、自分から彼を深く招き入れる。
「はっん、くぅっ…! イザヤぁ…」
「そう何度も呼ばなくても、ここにいるだろう?」
 そう言いながら僕の顔を両手で包み込む。
 僕は誘われるまま、彼に激しくキスをした。
 幸福に、身も心も満たされる―。
 幸せだと思えるこの瞬間が、泣きそうになるほど嬉しかった。
 自分の中の前立腺を、彼の膨らんだ先端で押し潰すと、声にならないほどの刺激が全身に走る。
「あっ、イザヤっ…! あなたが欲しい…もっと欲しいっ!」
 切ない感情を眼に宿して、イザヤを真っ直ぐに見つめた。
「良いだろう。くれてやる」
 スっと眼を細め、僕の膝裏に両腕をくぐらせると、その手は腰を掴んだ。
 そして息ができないぐらい、激しい挿入が始まる。
「ああっんっ! イザヤ、気持ち良いっ…!」
 自分の中ではズチュズチュと互いの肉が擦れる音が響き、部屋の中では互いの体がパンパンっとぶつかる音が響いていた。
 僕はたまらず片腕を外して、勃ち上がっていた自身を擦り始めた。
 淫靡な音と匂いに、すでに羞恥心も何もなく、ただセックスの快楽に溺れていく。
 やがてこれ以上ないくらいに熱く大きくなった彼の欲望は、僕の中に深く差し込んだまま小刻みに、それでも強く動いてきた。
「あっ、あっ…やぁああっ!」
 イザヤに衝動のままに揺さぶられ、僕も自分のを激しく擦り上げる。
 そしてグッと深く繋がったまま、中に熱い液体が注ぎ込まれる。
 何度も大量に出されて、僕もたまらず出してしまった。
「あうっ…んっ、はあはあ…」
 二人が繋がった所から、ツーっと何かが溢れ出してくる感触がある。
 …何もこんなに大量に出さなくても。
 いや、僕もいっぱい出しちゃったしなぁ。
「あ~、すみません。お洋服、汚してしまって…」
「構わない。あとで洗わせればいい」
 洗う人ってトランプだよな、絶対。
 僕は心の中で深く詫びた。



「…よし、誰もいないな」
 イザヤことデスの部屋から、僕は気配を消してこっそり出た。
 しかしすぐにラバーの部屋の扉が開き、この時一番会ってはいけない人物と鉢合わせしてしまった。
「おはよう、マジシャン。…何でデスの部屋から出てくるの?」
 不機嫌なオーラを出しつつあるラバーから、一定の距離を取って、僕は手にした紙袋を後ろに隠した。
「おはよう、ラバー。よく眠れた?」
 僕は話題をずらそうとしたが、ラバーの視線は紙袋へと向かう。
「何それ? デスから貰ったの?」
「いっいや、頼まれた物と言った方が正しいかな?」
「ふーん」
 誤魔化し笑いを浮かべる僕の元へ、スタスタと歩いてくるラバー。
 そしていきなり眼にも止まらぬ速さで、僕の手から紙袋を奪った。
「あっ、コラッ!」
「中身は…デスの服、か。デスは昨夜、マジシャンの部屋に泊まったんだ」
 ぐっ…! 
 鋭い。
 やっぱり長年の付き合いがあるから、察してしまうんだろうな。
「…うん、まあ」
「ふぅ~ん」
 冷や汗がダラダラと背中に流れる。
 何せラバーから不穏な気配を感じるからだ。
 今絶対、おもしろくないと思っているはず。
 昨夜はあの後ベッドに移り、ずっとセックスしていた。
 そして朝、デスに起こされ、二人で風呂場へ行ってまた……と、朝から濃いことをしていたワケだけど。 
 問題はデスの着替えだった。
 昨夜の服はトランプに洗ってもらうことになったが、今着る服がなかった。
 なので着替え終えた僕が、デスの部屋に行き、代えの服を持って出て来たところだった。
「デスってさ、冷めてるように見えて、意外と執着心が強いよね」
「そっそうかな?」
「特にマジシャンに関しては、ね!」
 ラバーは顔をしかめながら、紙袋を僕の胸に押し付けてきた。
「オレに見せつけるように、マジシャンを誘ってくるし、その証拠も付ける。キスマークにオレが噛み付いて上書きしたら、また新しいキスマークを増やす。ホッント執着心が強い」 
「あっ…ははは」


【2012/01/03 08:48】 | BL・<Fascinated by the darkness>
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 ソファーに座ったままで良かったと、心から思う。
 膝立ちだったら、今頃床に腰を付けていただろう。
 あまりみっともない格好は、彼には見せたくなかった。
「あっ、イザヤ…。ちょっと、本当にヤバイんですって…!」
 彼の足を両手で掴むと、いきなりぐいーっと踏む力が強くなった。
「ああっ! やっやめっ…!」
 けれど踏み潰すほどの強さはなく、かといってすぐに離れる程度の弱さじゃない。
 イザヤの足裏は微妙な力加減で、僕の両足の間をグイグイと押す。
「男のモノを咥え、そして踏まれて興奮するのか、お前は」
「だっから…そう、いうふうにしたの…イザヤで、しょうがっ…」
 強過ぎる快感に、眼に涙が浮かんできた。
 彼の足にすがるようにしながら、息を弾ませてしまう。
「そうだったな。じゃあコレが証明か?」
「そっ…うなり、ますか…ね」
 彼が与えるものならば、苦痛だろうが何だろうが、甘い快楽に変わってしまう。
 身も心も、彼に溺れている証拠だ。
「そうか。なら責任を取ってやらないとな」
 …そういうセリフは、悪魔のような微笑を浮かべながら言うものじゃないと、僕は思う。
 しかしイザヤはいきなり足を離した。
 突然失った刺激に、頭も体も物足りなさを感じてしまう。
「…っれ? イザヤ?」
「服を全部脱げ」
「……やっぱりここでするんですか?」
「同じことを二度も言わせるな」
「………はいはい」
 もうどうにでもなれ、というヤケッパチになった僕は、ソファーの上で服を脱いだ。
 脱いだ衣類を床に放り捨て、少し不貞腐れた顔を彼に向けた。
「―コレで満足ですか?」
 僕の体には未だイザヤの付けた跡が、生々しく残っていた。
 ただ一ヶ所、首筋の噛み傷以外は。
 イザヤの視線が、僕の体を舐めるように動く。
 今更恥ずかしがることなんてないので、堂々と彼の次の言葉を待つ。
「まだだ。立て」
「はいはい」
 立ち上がるとイザヤに腕を掴まれ、引っ張られた。
 そしてイザヤは僕が座っていたソファーに座り、二人の立ち位置は変わったワケだけど…。
 非常に、とても、物凄く、イヤーな予感がするのは何故だろう? 
 裸になったからじゃないよね? 
 この寒気は。
「跨げ、ユウマ」
 イザヤは余裕たっぷりに笑い、僕の頬を優しく撫でる。
 …って、やっぱり。
 よりにもよって、扉に背を向けて騎乗位か。
 まあ扉に正面を向いた形じゃないだけ、まだマシ………だろうか?
 まあどちらにせよ、もし誰かが扉を開けて眼にするのは、僕の痴態だ。
 晒す内容は変わらない。
「イザヤって本当にサドですよね」
 にっこり満面の笑顔で毒を吐くが、彼は得意げに笑い返してきた。
「十五年も傍にいたんだから、とっくに気付いていただろう?」
「デスネー。はいはい、騎乗位だろうがなんだろうが、ご主人様の言うことには従いますよ」
 だけどしょせん僕は彼の所有物、逆らう真似なんてしない。
 膝でソファーに乗り、自ら孔に彼の先端を宛がう。
「んっ、くぅっ…!」
 しゃぶっていたおかげで、スムーズに入っていく。
 けれど中の肉を割って入ってくる体感はいつまで経っても慣れないもので、彼にしがみついてしまう。
「あぅっ…ん、はぁはぁ…」
 唾液と先走りに塗れた彼の熱は、ズズズッと音を立てながら僕の中におさまっていく。
 僅かな痛みも快感にしかならず、僕はゆっくりと腰を沈めていった。
「ユウマ」
 耳元で名前を呼ばれ、ぼんやりしながら顔を上げると、イザヤにキスされた。
「んんっ…。イザヤぁ…」
 甘ったるい声と吐息が出てしまうけれど、もう自分では止められない。
 特に舌を絡ませ合う行為になると、無意識に腰が跳ねてしまう。
 舌の表面のザラザラした部分と、裏のヌルヌルした部分、そしてイザヤの唾液の匂いと感触に頭の中が真っ白になっていく。
 けれど彼のを自分の中に入れていくのも忘れない。
 腰を弾ませながら入れていくけれど、どうしたって最後の一押しができない。
「フっ…腰が止まっているぞ?」
「そっんなこと言われ、ましても…根元まで入れるのが…くっ苦しくて…」
 もうこの状態でも、いっぱいいっぱいだった。
 ただでさえ立派な彼のモノは、いつも最後は力づくで入れられていた。
 自分から入れるのには、限界があるというものだ。
「まったく手間のかかる」
 イザヤはため息をつきながらメガネのフレームを指で上げると、僕の両肩に手を置いた。
 その行為で何をされるか気付いた僕は、サッと血の気が下がった。
「ちょっ、待って…って、いったぁ!」
 ズンッと体に衝撃が走った。
 イザヤは予想通り僕の肩を下に押して、いきなり全部を飲み込ませた! 
 突然の衝撃に涙は溢れるわ、孔はきつく締まってしまうわで、眼がチカチカする。
「いたたた…。いっいきなりは厳しいんですが……」


【2012/01/02 09:42】 | BL・<Fascinated by the darkness>
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 そう言って僕は背伸びをして、デスに触れるだけのキスをした。
「なら証明してみろ」
 デスはメガネの奥の眼を細めると、僕をソファーの上に押し倒した。
 …毎回このパターンだけど嬉しく思う僕って、やっぱり彼のことを本当に愛しているんだと実感する。
 他の人に誘われても引くだけなのに、彼だと身も心も喜びに震えてしまうのだから―。
 そんなことをぼ~っとしながら思っていると、デスは立ったまま僕の目の前でベルトを緩め、ズボンのファスナーを下ろした。
「って、ちょっと待ってください。ここで、ですか?」
 廊下へ通じる扉はこの部屋にある為、誰かが入ってきたら二人で何をしているのか、すぐに分かってしまうだろう。
 いくら僕とデスの関係を知っている仲間達しかいないとはいえ、流石に見られたくはない! 
 特にうっかりラバーが入ってきたら…ドが付く程の修羅場になるだろうことは確実だ。
「どこでしようが、やることは変わりないだろう?」
「それを言われるとアレですが……」
「ならとっとと咥えろ」
「うへっ…」
 目の前に差し出された彼の欲望の塊に、奇妙な声を出してしまう。
 同じ男とは思えないぐらい、立派なんだよな~。
 彼のモノって。
 などと考えて何もしていないままだと、無理やり口の中に突っ込んできそうなので、塊を両手で持ち上げ、言われた通りに咥えた。
「んっ、ふっ…」
 まだ柔らかいそれに、舌と唾液を絡ませる。
 滑りが悪いと気持ち良くないことを、身をもって知っているから。
 そして充分に唾液を塗り込めた後、根元の部分を両手で扱きながら頭を動かし始めた。
 頬を窄めて、彼の熱を口の中でいっぱいにする。
 先端を上顎や舌で擦ると、どんどん膨らんでいく。
「んんっ…ぷはぁっ」
 顎が痛くなったので、いったん口から出す。
 唾液が先端と僕の口の間を繋いだけれど、すぐに切れて床に落ちる。
 硬くなった竿を横から舌で舐め、片手でくびれや割れ目をいじり、もう片方の手で扱いた。
「上手くなったものだな」
「それは教えた人が良かったんでしょうね」
 下から挑発的な笑みを浮かべて、彼を見上げる。
 イザヤは満足そうに頷く。
「そうだろうな」
「ちなみにあの……」
「何だ?」
「えっと…やっぱり良いです」
 レンとどっちが良いかだなんて、思ってもいけないことだ。
 レンはそれこそ男を相手にした人数なんて数えきれないほどだろうし、セックスの仕方だけで言えば、レンの方が聞かずとも上だということは分かっていた。
 でもこんな時、ふと思い浮かべてしまうんだから、本当にいろいろな意味で諦めが悪い。
 くだらない考えを振り払うように、彼への愛撫を続けた。
 裏側の筋や血管に舌を這わせ、根元を両手で擦り上げると、どんどん熱くなり、大きくなっていく。
「そんなにむしゃぶりつくほど、美味いのか?」
「んんっ…。そう、ですね。慣れているアナタのモノですし」
 舐めるのも咥えるのも扱くのも、すでに慣れたこと。
 今更躊躇うことなどない。
 先端からトロトロと先走りの蜜が出てきたので、再び口の中に咥えた。
 口と鼻にオスの匂いが満ちるけれど、僕にとっては興奮するものだ。
 実際ズボンの中の自分自身が、そろそろ暴れ始めている。
 イザヤの性を触れて感じることが、僕にとっては最高の催淫剤だから。
「んむぅ…んんっ、はっ、んちゅぅ…」
 彼のをしゃぶりながら、自分のを触ろうとした。
 だけど…。
「誰が触って良いと言った?」
 …ご主人様は許してはくれなかった。
 黒の革靴の底で僕のを踏み付けるんだから、ホッントーにドSだ!
 まあ触る程度の感触だからまだ良いものの、強く踏まれたら間違いなく、今咥えているモノに噛み付いていたな。
 …まっ、それが分かっていたからこそ、この程度なんだろう。
 そう思いながら、彼のを口から出した。
「あの…イザヤ。前から言おうと思っていたんですけど……」
「何だ?」
 と言いながら、イザヤは足を動かして僕のを刺激する。
 ただ軽く踏まれているままで動かされると、コレがかなーり気持ち良い。
「そっソコへの刺激は、もうちょっと優しくしてくれませんかね?」
 上がる息を必死に抑えながら、上目づかいに彼を見る。
 するとイザヤは鼻で笑った。
「別に痛くないだろう? それどころか感じているじゃないか」
 …いや、確かにそうなんですけどね。
 ただ踏まれて感じさせられるってことが、流石に大人の男としてのプライドに関わると言うか…。
「靴プレイでイかされると、流石にちょっと……」
「お前の手癖が悪いからだろう? これは仕置きだ」
 ……自分のを触ろうとすることが、そんなに悪いことだろうか? 
 思わず暗ーい考えに陥ってしまう。
 しかし僕のソコは、彼から絶えず刺激されているせいで、勃ち上がってきている。
 悲しくなるほど、彼から与えられる刺激は気持ち良かった。


【2012/01/01 00:24】 | BL・<Fascinated by the darkness>
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