年上とのキス・1

2013.09.18(23:21)

 小学生も高学年になっていくにつれ、体がどんどん変化していく。
 まだ一年や二年の頃は男か女か分からなかったクラスメート達は、五年にもなるとだんだん男女の区別がついていく。
 そうなると保健の授業も別々になり、オレ達は担任の女の先生からではなく、他のクラスの男の先生から教えてもらうことになる。
 クラスメート達は男と女の体の違いに、ざわざわするけれど…オレは冷めていた。
 今でも時々父さんや母さんと風呂に入るし、別に女の体に今更興奮するってこともなかった。
 けれど友達はそうじゃない。
 どんどん恋愛感情も育っていって、今では友達と遊ぶよりも恋人と遊ぶヤツもいるぐらいだ。
 そして取り残されたオレはと言うと…。
「従兄と遊んでいるなんて…寂しいよな」
「それ、本人を前にして言うことじゃないと思うよ?」
 と従兄は言うけれど、顔では苦笑している。
 従兄は大学三年生で、教師を目指しているらしい。
 父さんの妹の一人息子で、家が近所にある。
 そのせいかオレが赤ん坊の時から、よく面倒を見てくれていた。
 今もオレの部屋で、一緒にテレビゲームをしてくれる。
 なのでふと、聞いてみたくなった。
「なあ、他の友達と遊んだり、恋人とか作ったりしないのか?」
 オレに尋ねられた従兄は、これまた複雑そうな表情を浮かべる。
「う~ん…。俺って結構、人見知りなんだよね。だからキミといた方が楽なんだ」
 …そうだろうか?
 従兄はとても外面が良いことを、オレは知っている。
 何度も一緒に外に遊びに行ったりしたけれど、しょっちゅう女に声をかけられたり、男友達にも声をかけられていた。
 まあ多少…腹黒そうだけど、話しやすいタイプだ。
「キミこそどうなの? 好きなコとかできた?」
「うんにゃ。めんどい。今は遊んでいた方が楽」
 けれど友達は恋人と何かしら記念日とかあると、喜んで準備をする。
 …将来もああなんだろうと思うと、今はまだ恋人はいらないと思う。
「誰かと付き合うことで、生活ペース乱したくないんだよね。気を使うのもイヤだし」
「あっ、俺も俺も。やっぱり血の繋がった従兄弟だね。考え方が似ている」
 でもオレは無愛想だし、人付き合いも細かくする方じゃない。
 別に友達がいないわけじゃないけれど、この従兄に比べれば、な。
 けれどこの従兄、かなり顔立ちが良い。
 それこそ芸能界やモデル事務所に何度もスカウトされたり、逆ナンされるぐらいに。
 でもいっつも断っては、ずっとオレの側にいる。
「…なあ、女と付き合ったことあるの?」
 だからつい、そんな質問をしてしまった。
 従兄は一瞬きょとんとした後、意味ありげに笑う。
「気になる?」
 …この言い方だと、少なくとも大人の付き合いの経験はあるんだな。
 オレは何となく面白く無くて、つい従兄から背を向けてしまう。
「別に。いい歳して、何の経験もないと言ったら笑ってやろうかと思ってた」
「ん~。まあ確かにちゃんとした恋人はいないけどさ、好きなコはいるよ」
 …これまた初耳だ。
「へえ…。ならそのコに告白したのか?」
「言って嫌がられたらダメージ大きいから、言わない」
 肩越しに見た従兄の表情は、笑いながらもどこか苦しそう。
 人を愛するって辛いって言うけれど…従兄もそうなんだな。
 オレにはまだ分からない感情だ。
「でもお前に言われたら、大抵の女ならOKじゃね?」
「んんっ~。でもどうだろうね?」
 …そんなに難しい相手なのか?
 ハッ! もしかして、相手にはすでに恋人がいるとか?
 それならかなり難しいな…。
「あっ相手に恋人がいたりとか?」
「いや、そういうのはいないみたい」
 なら簡単だと思うけどなあ。
「オレにはよく分からないけどさ、『愛する』ってどんな感情なんだ? 友情をもっと強くしたようなもん?」
「うっう~ん。…コレばっかりは難し過ぎて、答えられないかも」
 今度は本当に困ってしまった。
「よくマンガとかで見るとさ、その…キスしたくなったら好きだとか言うよな?」
「ああ、それはあるかも。ボクも好きなコを前にすると、キスしたくなるし」
「ふぅん…」
 やっぱりオレにはよく分からない。
 普通に触るぐらいならば、別に男女気にせずだけど。
 誰かにずっと触りたいとか、キスしたいとか、あんまり思わないしなぁ。
「んっ…?」
 そんなことをぼ~っと考えていると、不意に従兄の顔が近付いていたことに気付く。
「…何?」
「キス、したい」
「へっ?」
 眼を丸くした瞬間、従兄の唇がオレの唇に触れていた。
 たった一瞬のことだけど、唇にはキスの感触がしっかり残った。
「なっ何するんだよ!」
 思わず枕を掴み、従兄に向かって投げつける。
「ごっゴメン…。何かやっぱり、近くにいるとガマンできなくなるみたい」
「キスは好きなヤツとするもんだろう!」
「うん、だからしたくなった」
 体に当たった枕を両手で掴みながら、従兄が照れて言った言葉が理解できず、オレは首を傾げる。
「…はっ?」
「うん、だから俺はキミが好きなんだ。生まれてからずっと見てきたせいか、何かキミ以外の人間に興味が持てなくて」
 いやっ、その言葉は怖いっ!
 鳥肌が体中に起こったぞ!
「だけどホラ、男同士だし俺は十も年上だし、言ったら気持ち悪がられるのもイヤだから…」
 …何やらブツブツ言っているが、それは顔を赤くしながら語ることなんだろうか?
「お前…小学生の男が好きなのか?」
「ちっ違うよ! 確かに教師を目指しているけれど、キミ以外は本当に子供としか思えないから」
 その言葉も怖いっ!
「…それでどうかな?」
「なっ何がだよ?」
「キス…してイヤだった? 俺のこと、嫌いになった?」
 …ああ、そんなことを言ってたな。
「突然のことで驚いて…何が何だか分からない」
 だからオレは正直に答える。
「じっじゃあもう一回して良い?」
 ぐっ…!
 表情を輝かせるなよ。
 オレが影る。
 でもまあ…イヤとかではなかったな。
「…別に良いけど」
 そう言ってオレは従兄に近付き、膝の上に乗る。
 そしてどちらかともなく、キスをした。
「…うん、やっぱりイヤではないな」
「もっとしたいと思う?」
 それは小学生に聞くことじゃないだろう。
 何だかオレの方が妙に冷静になっているな。
「…つうか、オレはめんどくさいのイヤだからな」
「恋人付き合いのこと? 別に今のままでも充分俺は幸せだよ」
「それならまあ、良いけど」
 今のままゆっくりまったり過ごすことが、オレと従兄の恋人としてのあり方ならば、悪くはない。
「ふふっ、嬉しいな。これからはキスしたいと思ったら、できるんだもの」
「いっいやっ! せめて二人っきりの時でな!」
「そうだね。人に見せるなんて、勿体無いしね」
 満面の笑顔で再びオレにキスしてくる従兄。
 …やっぱり恋人付き合いって、難しい。

<終わり>
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鬼畜なキス・1

2013.09.01(09:14)

 ウチの高校は男子校なのに、妙な生徒が一人いる。
 オレと同級生だけど、同じクラスになったことも、授業も委員会も係も一緒になったことはない。
 けれどただ一度だけ、話をしたことがあった。
 それは放課後の図書館の中でのこと。
 ウチの高校は敷地内に大きな図書館があることで有名だ。
 そこで図書委員をしていたオレに、ヤツが声をかけてきた。
「ああ、キミ。図書委員だよな? この本を探しているんだが…」
 そう言って、本の名前が書かれてあるメモを見せられる。
「ん~っと…。この本はあるけど、コレは置いてないぜ」
 本のタイトルを指さしながら説明すると、何故かキョトンとされた。
「…どうかしたか?」
「…いや、久々に俺に敬語を使わないヤツと会ったから、驚いていた」
 ……確かにコイツには全員、敬語で話しかけているな。
 妙にカリスマ性があるし、変に色気もあるから…。
「オレ、一応同級生だけど使った方が良いか? 生徒会長」
 そう、カリスマの強いコイツは一年の時からウチの生徒会長を務めている。
 勉強も運動もできて、更に顔立ちまでできている。
 体格は中肉中背だけど、決して小さくは見えないのはコイツの雰囲気のせいだろう。
 偉ぶっているわけでもないのに、コイツの言うことにはみんな従ってしまう。
 …けれどどことなーく計算的だ。
 腹黒というより、計算しているタイプ。
 自分がどう言えば、どう行動すれば、周囲がどう動くか分かっているようだ。
「…ふむ、まあキミはそのままで良いよ。面白いから」
 …褒められているんだろうか?
 まっ、オレはコイツと違って目立つの好きじゃないし。
 あまり生意気そうにも見えないんだろう。
 基本的に面倒くさがりだしな。
 だけど面倒を避ける為の手間なら惜しまない!
 …と言うと、友達には変な顔をされるけど。
 オレはただ、自分の人生に波風を立てたくないだけ。
 目立ったり、派手なことはお断り。
 地味で安定している生活を送るのが目標であり、その為ならば努力は惜しまない。
 高校生ですでにいくつかの企業を手がけているコイツとは、正反対のタイプだろうな。
「…んで、本はどうする?」
「そうだね。とりあえずある物は借りていくよ。ないものはリクエストを出しておく」
「そうした方が良い。じゃあ、あるヤツは今持ってくる」
「ああ、頼むよ」
 …こうして話をしてみると、普通のヤツだよな。
 別に気取った感じもしないし、話しやすい。
 …いや、だからこそ、カリスマなんだろう。
 すんなり馴染みやすいタイプほど、無防備になりやすいってもんだ。
「あんま関わらないようにしよう…」
 アイツに関われば、波風どころか嵐か台風に巻き込まれる。
 それだけは絶対に避けようと思いつつ、オレは本を探した。

――ところがこの日から、オレの高校生活は一変する。

「やあ、おはよう。昨日はありがとね」
 次の日の朝、ヤツが声をかけてきたので驚いた。
 しかし本のことだとすぐに思い出して、答える。
「あっああ…。面白かったか?」
 だがオレの返答に、周囲にいるヤツらが驚いて眼を開く。
 …あっ、敬語で話しかけられるって言ってたっけ。
「うん、面白かったよ。キミのオススメの本って他にない?」
 コイツは自分と周囲の温度差に気付いていないんだろうか?
 オレには針のように視線が突き刺さっているように感じるのだが…。
 しかし話しかけられるのを無視する方が、後でとんでもない目に合うことは分かっていた。
 なので渋々ヤツとの会話を続ける。
 そしてHPが始まる時間となって解放されたオレだったが、教室に入った途端、今度はクラスメート達から質問攻めに合わせられた…。
 何故だかこの日から、ヤツは何かとオレに構ってくるようになったのだが、その理由がサッパリ分からない。
 ヤツのカリスマのおかげか、別に陰湿なイジメも陰口もない。
 しかしオレを見てはコソコソと話をするヤツらは確実に増えた。
 ヤツは別に、普通に友達として接してきているだけだ。
 なのに一部の変なヤツらが、オレとアイツが出来ているなんて言い出しやがった。
 オレの平穏かつ、退屈な高校生活は遠くへ行ってしまったのだった…。


「と、諦めてたまるかーっ!」
「アハハ、いつもキミは元気だね」
 誰もいない昼休みの生徒会室は、オレとコイツの二人だけだ。
 オレは普段、昼は学食か購買で済ませる。
 それを知って、何故だかコイツはオレの分まで手作り弁当を作ってくるようになった。
 最初は断ろうと思ったさ。
 けれどその空気を察してか、思いっきり悲しそうな顔をしやがる…。
 しかも人の多い廊下で。
 …断れるはずもなく、オレは毎日コイツの弁当を食べていた。
 いや、美味いんだけどね。
「あのさっ! 思いきって聞くが、何でオレに構うんだよ?」
「気に入ったから」
「はっ!?」
「ホラ、そうやって何の躊躇いもなく、俺と正面から話をするキミのこと、気に入ったんだ」
 …こう言うのって、アレか?
 気骨を気に入られたんだろうか?
「最近、ヘラヘラされるのも飽きてきたんだよねぇ。キミって出会った時から態度変わらないし、面白いよ」
「…てめぇ、明らかにオレをおもちゃ扱いしているな?」
「おもちゃって飽きるよ?」
「じゃあオレにも飽きろよ」
「キミは俺に飽きた?」
 …何でそうくる?
「俺はこれでもキミを楽しませるよう、努力してきたつもりなんだけどな」
 ……それはアレか?
 休日、何の約束もしていないのに突然オレの家にやって来て、遊びに行こうと強引に誘ってくることを言っているのか?
 いつの間にオレの家を調べたのか分からないが、オレの両親にまで気に入られやがって…。
 おかげで居留守を使うことができねぇ!
 携帯電話の番号もメアドも、いつの間にか知っていやがった!
 突然、電話やメールが送られてきた時は本当に驚いて、心臓が痛かったほどだ。
「…何かオレ、追い詰められている気がするんだが?」
「正確に言えば、俺色に染めているって感じかな?」
 ぞわっ、と全身に鳥肌が立った!
 魔王の微笑みは、予想以上に美しくも冷たい。
「なっ何が目的なんだよ?」
 ハッ! もしかして…オレを『壊す』ことが目的なのか?
 思わず身を引くと、ヤツはいきなり笑い出した。
「アハハっ! キミって考えていることがすぐに顔に出るタイプだねぇ。…まあそういうところも気に入っているけど」
 魔王に気に入られてしまった!
 今更ながら、とんでもない目に合っていると自覚してしまう…。
「まあでも安心しろよ。別に壊したりしないから」
 そう言われて安心できるかっ!
「警戒しているな? …でもそれで良い。すぐに堕ちてしまったら、面白くないからな」
 堕ちるって…精神が? それとも体力?
 いや、どっちにしても怖いっ!
「あっあのな、オレは平穏に人生を送りたいんだよ。お前とは正反対なんだ」
「知ってる。将来は公務員になって、田舎でのんびり過ごしたいんだろう?」
 どこで知ったんだっ!
「なのにその計画を遂行する為の努力や手間は惜しんでいない。地味に生きようとしているのに、プライド高い行動をしているのが面白いんだって」
「だって、平穏って良いことだろう?」
「…キミ自身と、望んでいることの温度差が激しいねぇ」
 そんなにオレってプライド高く見えるのか?
 確かにカリスマ性の強いコイツに敬語を使ったり、ヘラヘラ機嫌を窺うようなことは嫌だからしないけど…。
「だからそのプライドの高さを、俺に向けてもらいたいと思ったんだ」
「よく意味が分からないんだが…」
「じゃあこうすれば、分かる?」
 そう言ってオレに顔を近づけてきたと思ったら…唇が、重なる。
「…へっ?」
「その間抜け面も面白いねぇ。コレはマジナイだ。俺のことが忘れられなくなる、オマジナイ」
 いや、絶対に呪いだっ!
 満足そうに微笑む魔王は、オレの唇を嬉しそうに指で触れる。
「ぬっ…」
「『ぬっ?』」
「ぬわああああっ!」
 オレは情けないことに絶叫を上げながら、生徒会室から飛び出した!
 後から魔王の楽しそうな笑い声が響いてきたが、両耳を塞いで聞こえないようにする。
「なっ何でキス、なんか…!」
 屋上に移動したオレは、手の甲で唇をこする。
 …いや、明らかにからかわれているんだ。
 冷静になれば分かる。
 アイツはただ、自分に対して物怖じしないオレを珍しがって、構っているだけなんだ。
 おもちゃじゃなくて、ペット扱いだな…。
「あんの鬼畜めっ…!」
 忌々しく呟いてしまう。
 すでにこの高校はヤツの支配下にある。
 しかもオレの両親もアイツのことを気に入っているし、オレの味方をしてくれるヤツがいない!
 …こういう時、人望の差って出るよな。
 携帯の番号もメアドも知られているし…、勝手に変えても、またどこからか知るだろうな…。
「ううっ…! やっぱり追い詰められている!」
 とりあえずアイツの出方を見よう!
 もしかしたら数日で飽きるかもしれないし…。
 …オレからは何にもできないしな。


 …と思っていたのだが、驚くほど普通にアイツはオレに接してくる。
 相変わらず、親しい友達として。
 最初は警戒していたオレだけど、それでもキスしたことなんてなかったかのようにアイツが振る舞えば、気が抜けてくる。
 …もしかして、からかいのキスだったんだろうか?
 ふざけて同性同士でキスするのって、今ではそんな珍しいことじゃないらしいし…。
 と、思っていたのに!
「んっ…んんぅ~!」
 がっちり頭を掴まれ、無理やりキスをされた。
 再び昼休みの生徒会室で。
 わっ忘れかけていたのに…。
「…ぷはっ!」
「キミ、そろそろこのオマジナイを忘れそうになっていただろう?」
 …確かにそうだけど、またいきなり過ぎる上に、ちょっと苦しかった。
「俺とキスしたことを忘れるなんて、酷いなぁ」
 そう言いながら唇をペロっと舐めるなー!
 艶かしい!
「…あのさ、もうそろそろハッキリさせたいんだけど」
「なに?」
「オレのことが…好きってワケじゃないんだよな? だったらもうキスは止めてくれ」
 友達付き合いぐらいならば、もう諦めた。
 けれど流石にキスは…いろんな意味で心臓に悪い。
「だってキミ、こうでもしなきゃ俺のこと、どうでもよくなるだろう?」
「はい?」
「もしかしたら他のヤツともキスをするようになるかもしれない。その時に、俺を忘れてもらっちゃ困るんだ」
 …いや、キスする相手なんていないし、作る予定もないんだが…。
「俺がキミの全てになれば良い」
 そう言って、何故か切なそうに笑いながらオレの頬に触れてくる。
「起きている時も寝ている時も、キミが過ごす日常も全て、俺の物になれば良いのに…」
 …ん? コレってまさか告白?
 いや、違うな、うん。
 だってコイツから感じるのは、妙に強い執着心だけ。
 甘い恋愛感情なんて一切感じ取れないし、コイツも自覚していないだろう。
「だけどキミの周囲を俺色に染めても、キミ自身はなかなか染まらないからね。…堕ちてもらうよ? 俺のところに」
 挑発的な視線を向けられて、オレは何故か笑っていた。
 全校生徒の憧れの的であるコイツが、オレに執着していることが、何だか優越感を感じる。
 もしかしたら、オレに堕ちているのかもしれない。
 その自覚がないのか、認めたくないのか、コイツの行動は飽きない。
 平穏を望んでいたオレに、刺激を与えたコイツに付き合うのを、まだ続けても良いかもしれない。
「…良いぜ? オレが堕ちるか、お前が堕ちるか、勝負だな」
「俺は勝つ自信、あるよ」
「オレも同感だな」
 そしてオレ達はどちらかともなく、唇を合わせるのだった。


<終わり>

甘々なキス・1

2013.08.29(17:40)

「遅いぞ!」
「あっああ、ゴメン」
 …って、オレ、何で謝ってんだ?
 家を出たのはいつもの時間。
 なのにアイツは家の前で、本を読んで待っていた。
「…ちなみにいつから待ってた?」
「十分ぐらい前だ。待ち合わせはそのぐらい早目に来た方が良いんだろう?」
「えっ? いつ待ち合わせしてたっけ?」
 そう言うと、アイツの顔が真っ赤に染まった。
「いつだっていいだろう! それより行くぞ! 学校に遅れる!」
 叫ぶなり、オレの手を掴んで早足で歩き出す。
 …ヤレヤレ。今日も一日がはじまる。
 手をつないだまま、高校に到着。
 そのまま教室のある三階まで、連行されるカタチで連れてかれる。
「…じゃあ、後でな」
「ああ、うん」
 微妙な空気で、手を離される。
 オレとアイツは別のクラス…と言っても、隣だけど。
 朝別れると、次は昼休みまで会えない。
 そのことをアイツは悲しく思っているらしい。
 でもオレは…まあオレも寂しいケドさ。
 教室に入って、自分の席に座ると、深くため息をつく。
 …どうしてこうなったのか、振り返ること1週間前のことだ。


「好き…なんだ!」
「…はい?」
 放課後、いきなりアイツに呼び止められ、屋上へ行き、第一発声が告白の言葉だった。
「えっえっとぉ…。友達としての?」
「恋愛感情として、だ」
 顔を真っ赤にして、怒りながらの告白って…。
 そもそもアイツとは、あんまり接点がなかった。
 高校二年の今は、同じ図書委員。
 一年の頃は、オレがコンビニでバイトをしてた時に、常連として来ていた。
 だから顔見知りではあったし、話も少しはしてた。
 でも…惚れられる理由が分からない。
「あの…さ、オレのどこが良いの?」
 だから思いきって、聞いてみた。
「フツーのところ」
「…はい?」
「だから、普通のところが良いって言っている!」
 …普通って、褒め言葉だっけ?
 でもコイツから『普通』という言葉を聞くと、確かに別の意味に聞こえる。
 学校で有名な美少年だから。
 それでいて、とても気が強いから。
 ヘンなヤツにからまれたとしても、自分1人で解決できる強さを持つらしい。
 男女共々人気があるコイツが、『普通』のオレを好きになる。
 まあそういうことだってあるだろう。
「…で、どうだ? ボクとこっ恋人にならないか?」
「あっああ、そうだな」
 頭をかきながら、改めてコイツを見る。
 確かにキレイな顔をしているし、この性格もキライじゃない。
 付き合えば、いろんな一面を見れて、好きになるだろう。
 …って、オレ、付き合う性別を最初に考えるべきじゃないのか?
 ああ、でもそんなの関係ないのか。
 一目惚れって、そういうモンだろう?
 コイツを一目見た時から、何となく気にはなってたし…。
 改めて今、惚れ直したって、一目惚れって言えるよな?
「…じゃ、これからよろしくな」
 オレは笑って、手を差し出した。
「えっ…。いいのか?」
「ああ、オレは一目惚れだし」
 そう言うと、ボロボロ泣き出してしまった。
「わっ! おっ驚いたか?」
「嬉しいっ…!」
 泣いてオレの胸に飛び込んできた。
 だからオレは頭を撫でながら、ぎゅっと抱き締めた。
 しばらく泣いていたけれど、ゆっくりと顔を上げて、オレの顔をじっと見てきた。
 オレはアイツの赤い唇に、キスをした。
 涙に濡れて、少ししょっぱかったけれど、ぬくもりと気持ちが伝わってきた。
 唇を離した後も何だか嬉しくって、ハンカチでアイツの顔を拭きながらも、笑っていた。
 ああ…オレはコイツのことを、大好きなんだって、自覚した時だった。


 …今思い出せば、何ちゅー恥ずかしいことをっ!
 でも後悔はしていない。
 アイツのことは、一緒にいるたびに好きになっていく。
 何よりオレを本気で好きでいてくれることが嬉しくって…。
 …でもちょっと、抑えるべきか?
 周囲の視線を、最近痛く感じるようになった。
 皆はほとんど黙認しているけれど、本心としては、何でアイツがオレなんかを選んだのか、不思議でしょうがないだろう。
 オレだって、未だに不思議だ。
 だけどアイツがオレを好きって言うのは本気だし、そのことを他人にどうこう言われたって、別れるつもりは無かった。
 ―オレも本気になったから。
 絶対に諦めないし、別れたりしない。
 昼休みになると、アイツはすぐにオレのクラスに来る。
 だからオレは弁当を持って、すぐに教室から出る。
「今日も屋上?」
「ああ、あそこが1番人気が少ないし…」
 …意味ありげなことを、真昼間から言わないでくれ。
「じゃ、行くぞ」
 そう言うと、またオレの手を握って歩き出す。
 こんなことしなくても、オレはお前の側にいるのに。
 そう思うけれど、あえてオレは言わない。
 手をつなぐことを、嬉しく思っているから。
 でもコレはナイショ。
 言うと顔を真っ赤にして、怒鳴られそうだから。
 途中でお茶を自販機で買って、屋上へ行った。
 青空の下、屋上には人気が少なかった。
 そのまま裏の方に回り、二人で食事をする。
 2人っきりでいる時、ほとんど会話はない。
 家に帰って寝る前に、電話で話をする時ぐらいしか、コイツはしゃべらない。
 理由は本人が目の前にいると、緊張するからだそうだ。
 …まあまだ1週間だしな。
「なあ、今度の休みなんだけど…」
「うん」
「ゆっ遊園地にでも行くか?」
 男2人で遊園地か…。
 行くと逆ナンされそうだな。…主にコイツが。
「遊園地かぁ」
「ほっ他に行きたい場所があるなら、そこでも良いぞ? ボクはお前の行きたい所なら、どこだって良いし…」
 と言われましても。オレが良く行く場所はゲーセンとかボーリング。
 あんまりコイツのイメージに合わない。
「あっ、行って見たい場所があった」
「どこだ?」
 オレはアイツを見て、にっこり笑った。
「お前の部屋」
「えっ!?」
「次の休みはお前の部屋に行く。決定な!」
 そう宣言すると、アイツの膝の上に頭を乗せた。
「おっおい! 何を勝手に!」
「良いじゃん。どうせいつかは行くんだし、な?」
 オレは戸惑い顔のアイツの頬を撫でた。
「まったく…。しょーがないヤツだな」
「そのしょーがないヤツに惚れたお前が悪い」
 オレは手をアイツの後頭部に回して、引き寄せて、唇にキスをした。
 間近で見るアイツの微笑んでいる笑顔が、とてもキレイだった。


<終わり>

クリスマスのキス・<Boys Kiss>

2011.12.24(14:19)

「なぁなぁ、お前、クリスマス予定あるか?」
「いや、無いが」
「んじゃさ、寂しい男二人で遊びに行こうぜ」
「…だな」
 あんまりにも楽しそうに誘うので、オレは素直に頷いた。
 彼と出会ったのは高校を入学してすぐ。
 同じクラスで、席が前後だった。
 そこから3年間、ずっと同じ教室で過ごしていた。
 けど…そろそろそれも限界かもしれない。
「けど良いのか? センター試験まで残り少ない時期に出掛けて」
「うおおっ! 言うなっ! …お前は良いよな。推薦入試でもうすでに行く大学が決まってんだから」
「オレはこの3年間、真面目に過ごしていたらな」
「どーせ俺は赤点の常習犯さ。いいさ、別に。試験には受かれば良いんだ、受かれば」
「…受かるのか?」
「聞くなーっ!」
 …どうやら受験ストレスがかなりたまっているらしい。
 ここで息抜きさせた方が、受験には良いのかもしれない。
「分かった。もう聞かない。それで、クリスマスはどこに行く?」
「そうだな~。まずはカラオケは絶対だろう? せっかくだから、クリスマス限定のメニューを出している店をめぐるのも良いよな。後は…」
 意気揚々と予定を言いあげる彼を見て、ふと思い出す。
「…アレ? 彼女はどうした?」
 彼には彼女がいたはず。
 ならオレを誘うのはおかしい。
 …ああでもイヴにオレと出かけて、クリスマス当日に出掛けるのだろうか?
 しかし彼は気まずそうに、頭をかく。
「あ~。実は別れたんだ」
「えっ! またか?」
「そう言うなよぉ」
 彼は口を尖らせ、ジト眼でオレを睨んだ。
「あっああ…悪い。けど何で? あんなに仲良さそうだったのに」
「ん~やっぱこの時期だからな。進もうとしている大学も別だし、踏ん切りの良いとこで終わらせたんだ」
「彼女、お前とは別の大学なのか?」
「おうよ。何せ短大だからな」
 なるほど。
「お互い大学に受かっても、学校の距離が遠すぎるし。だから別れ話を言い出しても、案外すんなり受け入れてくれた」
「…そっか」
 ならオレと出掛けると言い出したのも、理解できる。
 明るく振舞っているけれど、彼は彼なりに傷ついているんだろう。
「まっ、アイツのことは置いといてさ。お前はどこ行きたい?」
「…そうだな。あっ、高いビルの中から、街を見下ろしたい」
 それは今まで考えていたことだけど、実行していなかったことだった。
「この時期、街はイルミネーションで綺麗だろう? 高い所から見てみたいんだ」
「それは良いが…。また何でビルの中からなんだ? 実際に行って見た方が良いんじゃないか?」
「それでも良いけど、…カップル、多いぞ?」
「うがっ!?」
 彼は心の傷が傷んだようで、胸元を強く掴んだ。
「まあビルじゃなくても、デパートとかでもいいけどな。街中にある建物だったら、どこからでも綺麗に見えるだろうし」
「だっだな…。んじゃ、当日は昼頃に待ち合わせして、イルミネーションが点灯するまで街で遊ぶか」
「ああ、そうしよう」
 よく世間では、クリスマスに男同士で遊ぶと言うと、寂しいとか悲しいと言う。
 けれどオレは…そう思わない。
 何故なら彼と一緒だから。
 口下手で中々友達が作れないオレだけど、明るくて活発で社交的な彼のおかげで、普通に友達を作って、3年間、楽しく過ごせた。
 そのことに感謝しながら……オレは彼のことを好きになっていた。
 決して打ち明けてはならない、『好き』の種類だ。
 …でも彼は彼女を作る。
 この3年間で、十人以上とは付き合ったんじゃないだろうか?
 彼はモテるし、彼女を作るのに何の問題もない。
 けれど、長続きは決してしない。
 長くても一季節。つまり3~4ヶ月程度。
 短ければ一週間かそこらで別れてしまう。
 別れはいつも彼の方から。
 原因を聞いても、『何となく合わなかった』としか言わない。
 そんなこんなで彼女をとっかえひっかえの日々を過ごしているものの、彼には悪い噂が立たない。
 別れた彼女達も、今では普通に友達として接しているのが凄いと思う。
 オレだって何度か女の子から告白されたことはある。
 でもその度に、彼のことを思い浮かべてしまい、結局高校生のうちでは彼女は作らなかった。
 彼に彼女がいる時は、寂しく辛い思いをする。
 けれどすぐにオレの元へ戻って来てくれるのなら、オレは一人で待とうと思った。
 …何か浮気ばかりされている妻の心境に、似ているのかもしれない。
 でもそんな辛くも楽しい日々は、高校を卒業したら終わるだろう。
 彼も大学を受験する。
 けれどどこを選んだのかは教えてくれない。
 落ちたら恥ずかしいから、と言っていたが、オレと通う所が違うから、言い出せないのかもしれない。
 どちらにせよ、学校が変われば交友関係も変わる。
 だからオレの抱える思いも……自然消滅するのも時間の問題だ。



「おーいっ! お待たせ!」
「いや、今来たとこ」
 クリスマス当日、駅で待ち合わせをした。
「にしても、やぁっぱカップル多いな。とっとと移動しようぜ」
「ああ」
「まずは喫茶店に行こう。クリスマス限定メニューを出しているとこ、行ってみたい」
「分かった」
 そして彼と喫茶店で昼食を食べ、カラオケへ行き、アーケード内でいろんな店を回ったけど…。
「あ~っ、逆ナンがうっとおしいな!」
 アーケードに入った辺りから、女性達に声をかけられることが多かった。
「クリスマスに乗り遅れた女達が、現地調達とはな。まあ俺とお前の二人連れだから、声をかけられるってのもあるだろうけどさ」
「ははっ…」
 オレは多少なりと疲れていた。
 女性達の勢いが凄くて驚いていると、彼がオレの前に出て代わりに断ってくれていた。
「ん~。まだ時間は早いけど、そろそろ暗くなってきたな」
 彼がケータイ電話と空を見比べながら、呟く。
 確かに雲行きが怪しいせいか、辺りは暗くなってきた。
「じゃあ行こうか? ここからだと、あのデパートが近いし、階もあるな」
 オレの目の前には、昨年建ったばかりのデパートがある。
「そうだな。流石にデパートの中じゃ、逆ナンもないだろうし」
 彼も賛成してくれたので、オレ達はデパートの中に入った。
 イルミネーション点灯まではまだ時間があったので、デパートの中をいろいろと見て回る。
「しっかしクリスマス一色だよな」
「でも次の日には全部片付いているんだから、凄いよな」
「まあな」
 そんなたわいのない話をしながら、携帯電話のショップに入る。
 壁一面にケータイストラップがあって、彼といろいろ見て回る。
「あっ、コレ良いな」
 その中でオレは一つのケータイストラップに眼がいった。
 黒い紐の先に銀のプレートがあって、そこに四つ葉のクローバーが彫られている。
「おっ、それ気に入ったのか?」
「ああ。値段も手頃だし、自分へのクリスマスプレゼントに買おうかな?」
「おいおい。いくら何でもそりゃ寂しすぎるって」
「良いだろう? 別に。自分へのプレゼントなんて、今時珍しくもないことだ」
「んじゃさ、コレは俺が買って、お前にプレゼントするよ」
 そう言って彼はオレの手からケータイストラップを取って、とっととレジで会計を済ませてしまった。
「ホラ」
「あっありがとう。…ちゃんとラッピングもしてもらったんだ」
「今日はクリスマスだからな。気分が出て、良いだろう?」
「ああ。―大事にする」
 笑みを浮かべながら言うと、彼も優しく笑う。
「それじゃ、そろそろ窓際に移動しようぜ。どうせなら点灯する瞬間を見ときたいし」
「ああ」
 オレ達はデパートの中を歩き、人がいない窓際を探した。
 最上階ではないが、街を見下ろせる階にした。
 そこの階段の踊り場には縦・横2メートルほどのガラス戸があって、オレ達が並んで見るにはちょうど良かった。
「良い場所見つけられて、良かったな」
「ああ。お前の日頃の行いが良いせいかな?」
 おどけたように笑って言う彼の姿を、見るのも後少しのことだ。
 そう思うと、僅かに胸が痛む。
「おっ、着き始めたぞ!」
 彼が声を上げ、窓の外を指さす。
 顔を上げて見ると、暗かった街に次々と色とりどりのイルミネーションが点灯していく。
「わぁ…! 綺麗だな」
「ああ。こういうのをホラ、『宝石箱を引っくり返したみたい』って言うんだろう?」
 それは高級高層ホテルで女性が言うセリフだけど…。
「うん、そうだな」
 でも確かにそう見える。
 闇の世界に浮かぶ多彩の光は、確かに宝石の輝きと似ていたから。
 やがて見下ろす街がイルミネーションの輝きで満ちる。
 その様子を、オレ達は言葉もなく黙って見つめていた。
 見入っていたオレだけど、ふとガラスに映る彼がオレを見ていることに気付く。
「んっ? どうかした?」
 不思議に思って顔を向けると、彼は真剣な顔をしている。
「いっいや、あの…さ」
「うん?」
「キス…したいなって思って」
「…うん?」
 何か今、理解できない言葉を言われたような…。
「ごっゴメンっ!」
「えっ…んんっ!」
 いきなり腕を掴まれたかと思ったら、彼に…キスされた。
 本当に……唇にキスされている。
 触れてくるときはいきなりだったけど、離れる時は静かにゆっくりだった。
「…その、本当にゴメン」
 彼は心底申し訳なさそうに、俯く。
「でも、何でオレに?」
 彼にはキスをしようと思えば、する相手ぐらいはいる。
 いくら近くにオレがいたからって…オレは男なのに。
 …でも喜んでしまっているオレもオレだな。
「…何かさ。お前って俺が女の子と付き合っている時、寂しそうな顔するだろう?」
「そっそうか?」
「ああ。まるで捨てられた子犬みたいな顔、しているんだぜ?」
 苦笑しながら言われた言葉に、ショックを受ける。
 まさか心に思っていた寂しさが、表情にまで出ていたなんて…。
「お前がそんな顔するから、何か女の子と付き合っても楽しくなくてさ。だから早く別れちまうんだよな」
「それって…オレのせいなのか?」
「ああ、そうだ。お前があんな寂しそうな様子をするから、ほっとけなくなるんだ」
 切なげに言いながら、オレを抱き締めてくる。
「もうあんな顔、するなよ。俺も決めたから」
「決めたって、何を?」
「お前と同じ大学へ行く」
「ええっ!」
 ハッキリ言って、オレと彼の偏差値はかなりの差があるのに。
「それと、ちゃんとお前の気持ちに向き合うよ。…今まで怖くて逃げ回っていた分、真面目になるから、さ」
「あっ…」
 気付かれて…いたのか。
 まあ考えてみれば、それも当然か。
 今までオレの側にいてくれたんだから。
 …そう、いてくれたんだ。
 オレの気持ちに気付いていながらも、ちゃんとオレの所に来てくれていたんだ。
「俺の本気度を分かってもらうためにも、受験、頑張るから」
「…じゃあ、コレはムダにならずに済むな」
 オレはコートのポケットから、小さな紙袋を取り出し、彼に渡す。
 彼はその場で中身を取り出し、破顔した。
 オレが彼に渡したプレゼントは、受験合格祈願のお守りだった。
「勉強、良かったら教えようか?」
「それは遠慮する! …とカッコ良く言いたいが、頼む。やっぱ不安でさ」
「ああ」
 カッコ悪く苦笑する彼に、オレは微笑みかける。
「ちゃんと合格するよう、残り一ヶ月ビシバシやるからな」
「…お手柔らかにお願いします、先生」
 オレはクスクス笑いながら、彼を抱き締めた。
 ちゃんと合格してもらい、大学でも一緒に過ごせることを考えるだけで、気分が良くなる。
「けどそれも明日から、な?」
「しょうがない生徒だな」
「へへっ。…今日はクリスマスだしさ」
「ああ」
 間近で笑い合いながら、オレ達はキスをした。



<終わり>
☆メリークリスマス!

<Boys Kiss>シリーズのランキング

2011.10.14(21:17)

 約一ヶ月に渡り掲載してきた<Boys Kiss>シリーズですが、拍手の多い順にランキングを作ってみました。

1位 <オヤジとのキス> 
2位 <金持ちとのキス>
3位 <真っ直ぐなキス>
4位 <アイドルとのキス>
4位 <小悪魔とのキス> (アイドルのキスと同じ数です)

 上位はこうなりました。
 まあ掲載順もありますけど、後半に掲載した作品の方が人気が高いみたいです。
 …そのせいか、1番最初に掲載した<突然のキス>は拍手がゼロです(涙)。2番目に掲載した作品から、時間が経ち過ぎちゃったせいですかね。
 2ヶ月半の時間はやっぱり長かったみたいです。まさかシリーズとして掲載し続けるとは、当初は思っていませんでしたから。
 長く掲載し続けることによって、認知度が上がってきたのは嬉しいです。
 今後どうなるか楽しみです。

<Boys Kiss>シリーズ

  1. 年上とのキス・1(09/18)
  2. 鬼畜なキス・1(09/01)
  3. 甘々なキス・1(08/29)
  4. クリスマスのキス・<Boys Kiss>(12/24)
  5. <Boys Kiss>シリーズのランキング(10/14)
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